米YouTuberが違法輸入された日産スカイラインGT-R R34含む国産スポーツカーの裏事情を紹介。「輸入品は2%ぐらいしかチェックできていない」「盗難車であっても不正輸入車両として廃棄されることもある」【動画有】

法を変えない限りは、「盗まれたオーナーが悪い」「オーナーに責任がある」という扱いになってしまう

さてさて、つい先日アメリカに不正輸入された国産スポーツカー(JDM)でお馴染み日産スカイラインGT-R R34/S15シルビア(Silvia)や、ホンダ・アコード(Honda Accord)、トヨタ・アリスト(Toyota Aristo)/チェイサー(Chaser)などがアメリカ政府によって押収され、その後日本に返還されることなく競売に出品され話題となりました。

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これらの不正輸入車両については、既にアメリカ人オーナーによって落札され、結局のところ「なぜ不正輸入されたのか?」「どういった目的でアメリカに持ち込まれたのか?」「正規で入手したものなのか?盗難車なのか?」といった細かな調査が行われずに競売にかけられたため、今回の同政府の対応に疑問に思われている方も多数いらっしゃるようです。

こうした問題について、アメリカ人YouTuberのCraig Lieberman氏が独自調査した内容を公開しているため、簡単にご紹介していきたいと思います。


「25年ルール」という規制も手伝って日本製スポーツカー(JDM)やネオクラシックカーが盗難の対象になりやすくなっている

今回同氏が説明しているのは、1988年の車両安全コンプライアンス法に基づき、米国運輸省(NHTSA)が、初年度登録から25年以上経過したクルマであれば、右ハンドル車の走行を法律で禁止しているにもかかわらず輸入することを認めるという「25年ルール」について説明。

これについて、一部の日産スカイラインGT-R R33までは25年ルールが解禁となったため輸入が可能となっていますが、1999年より製造開始となったスカイラインGT-R R34に関しては、2024年まではアメリカへと輸入することは規制されています。

良くも悪くもアメリカで人気を得たスポーツモデルは、不正輸入の対象になりやすく、盗難の対象にもなりやすい

しかしこういったモデルは、映画ワイルドスピードの影響もあって非常に人気が高く、これまで数多くのR34が25年ルールを破って不正輸入されてきたとのことですが、同氏の説明によれば現時点でもこういった行為は定期的に発生しているそうです。

そして今後、25年ルールが解禁となった暁にはR34もとんでもない価格帯にて取引される可能性があり、フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーが購入できるレベルにまで高騰する可能性あるため、特に日本に眠っているオーナー車両のR34は盗難対象になり得るため、セキュリティ対策を万全にしておくことが重要とのこと。

なお、これは前回のブログでお伝えした通りで、アメリカへと不正輸入する場合、その多くが「自動車」ではなく「自動車専用パーツ」として輸入されるケースが増えています。

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一時期話題となったアメリカカーショップJ-Spec Auto Sportsの例がわかりやすいかと思いますが、アメリカへと輸出する際、「自動車」だと自動車検査登録事務所に対して輸出抹消仮登録を行う必要があるため、これが部品・パーツ単体になってしまうと上記の手続きが不要となり、おまけに関税の負担も低くなるため(なかには自動車の部品と偽ってコンテナに隠すことも)、こうした不正輸出が頻繁的に発生しているとのこと。

特に盗難疑いのある国産スポーツカーではこうした手口を利用するケースも多いとのことで、いとも簡単にアメリカに販売されていることを考えると、輸出や税関での規制が緩いもしくは落とし穴があるのかもしれませんし、しかしこの点を現時点で追求することは不可能。

こうした不正輸入が起きているにも関わらず、アメリカの税関では輸入品全体の2%しかチェックできていない?更に不正に輸入された車両が押収された場合は破壊される?気になる続きは以下の次のページにてチェック!