VWのディーゼルゲートに続き、今度は欧州スズキが不正の疑いがあるとして捜査→SX4 S-CROSSやビターラ(日本名:エスクード)等の22,000台以上に影響も

フォルクスワーゲンのディーゼルゲート問題により、欧州でのディーゼルモデルの取り扱いは更に厳しいものになっている

2015年9月18日、フォルクスワーゲンによるディーゼルエンジンの排出規制不正があったことがアメリカ環境保護庁の公式プレスリリースにて明らかとなり、その後欧州市場でもディーゼルに対する取り扱いがより一層厳しくなっています。

こうしたなか、スズキのディーゼルモデルが、排ガス中の有害物質の量を不正に制御する装置を搭載した疑いがあるとして、ドイツ検察当局が欧州スズキなどに立ち入り捜査しているとしてロイター通信が報道しています。

ドイツやハンガリー、イタリアの検察当局は、欧州スズキが一部の管轄区域の排出ガス試験において不正に合格するためにディフィートデバイスを使用しているという申し立てがあったとのこと。

ちなみにディフィートデバイスは、内燃機関を有する自動車において「排気ガス検査の時だけ」有害な排出物質を減らす装置を指していて、過去にフォルクスワーゲンが排ガス規制を一時的にクリアするために使用したことで話題となりました。


もしも不正が事実であれば、22,000台以上の車両に大きな影響を与えることに

今回の衝撃的な報道より、ドイツ当局は2022年4月27日、欧州スズキにて使用しているエンジンや、ステランティスグループと部品サプライヤーのマレリグループが大きく関係していると述べていて、ドイツやイタリア、ハンガリーにて捜索が行われているそうです。

なおステランティスグループは、スズキにディーゼルエンジンを供給し、マレリグループはそれらのエンジンの部品を供給したと報道されていて、現在具体的に捜査が進められているとのことですが、今回の疑いが全て事実であれば、スズキが製造・出荷した22,000台以上の車両に大きな影響を与える恐れがあるとのこと。

EU規制に準拠できるような装置が、イタリアで製造されたディーゼルエンジンに設置されている疑い

ユーロジャストは「スズキに使用されているエンジンが、故障した排出装置の使用に対抗するために行われた」と述べていて、 「これらのデバイスは、イタリア製の多数の自動車のディーゼルエンジンに搭載されていたとして、”自動車の窒素酸化物排出量はEUの規制に準拠している”という印象を与えていた」と説明。

エンジンについては、ハンガリーにあるスズキの生産工場に供給されていて、2013年より製造されているSX4 S-CROSS(フルモデルチェンジ前)と、2015年より製造されているビターラ(日本名:エスクード)に搭載されたとして、これらのモデルを中心に調査が進められています。

今後の捜査次第では、これまで明らかにならなかったことも明るみになる恐れも?

なおスズキのスポークスマンは、ロイターからの取材に対し「同社は引き続き今回の件に関する捜査に全面的に協力していく」と語っていて、ステランティスのスポークスパーソンも調査に協力。

そしてその子会社であるFCAイタリアに対しては、スズキに供給したディーゼルエンジンに、不正が疑われている排ガス制限ソフトウエアを使用していたことに関する情報や文書の提供を求められたと発表しているため、これまで明るみにならなかった情報も展開される可能性が高そう。

現時点では”あくまでもロイター通信が報道した疑いの範囲での話”となりますが、マレリグループは今回の調査に対し「私たちは常に規制遵守して業務を遂行してきたと確信している」とコメント。

ちなみにこれは過去の話ではありますが、ステランティスとスズキの両方共に、ディーゼルゲートの不正にかかわった過去があり、スズキとマツダ、ヤマハとともに、2018年に一部の車両の異なる排出量データを使用していたことを認めました。

そして現在ステランティスの一部であるFCAグループは、ラム・ピックアップトラックのディーゼルエンジンに関連するアメリカの不正行為を捜査中とのことです。

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Reference:Reuters