中東ドバイにてランボルギーニ・カウンタックが発見→砂だらけだがその価値はアリ?世界に僅か2台&約30年間動かさなかったポルシェ911カレラRSR 3.8が発見され競売に出品

(続き)世界で僅か2台しか存在しない、ポルシェ911カレラRSR 3.8ストラッセンバージョンとは?

続いても、中東はアブダビの納屋にて約30年間もエンジンがかけられることが無かった、ポルシェ911カレラRSR 3.8ストラッセバージョンが発見され、ボナムズ・アブダビオークションにて出品されることが明らかとなりました。

この個体は、工場出荷されて一人のオーナーに納車されてから1度もエンジンが掛けられることもなく保管されていたそうで、走行距離も僅か10kmしか走らせていません。

しかもこのモデル、RSR 3.8の公道仕様ともなると僅か2台しか製造されておらず、その内の1台がこの個体になるわけですが、まさかポルシェミュージアムや特別なオーナーのコレクターとして厳重なガレージにて保管されていたのではなく納屋で放置されていたのは意外でした。

オーナーの強い拘りと特注リクエストにより、納期は3年もかかった模様

今回出品されるモデルの背景を見ていくと、元々このモデルが販売されたのは1993年ではあるものの、特別なオーナーからの大規模な特注リクエストがあったため、それらのリクエストを応えるために約3年がかかり、1996年にようやく納車されたそうです。

その後はオーナーの倉庫にて保管されることになり、一度もエンジンをかけることなく約20年が経過し、2017年に一度オークションに出品されたそうですが、そのときの落札価格が驚きの225万ドル(日本円に換算して約3.4億円)。


様々な経緯を経て、ようやく誕生した貴重な911カレラRSR 3.8ストラッセンバージョン

元々このモデルは、過去にポルシェがラインナップしたナナサンカレラこと2.7RSや、3.0 RSRを現代に蘇らせたいという切なる願いから生まれた一台で、その結果として、まず1992年に964カレラRS(及び、よりハードコアなクラブスポーツモデル)が誕生。

964カレラRSは、排気量3.6Lエンジンを搭載し、最高出力256hpを発揮するハイパフォーマンスモデルで、従来よりも車高を落とし、スプリングはより硬く、そしてスタビライザーバーなどをサーキット仕様にカスタマイズしたハードコア仕様でもありました。

そこから、964の最後に向けてボアアップされた3.8 RSなのですが、ここから更にプライベーターレーシングチームによって特別に作られたレーシングカーとして911カレラRSR 3.8が誕生し、エンジン出力としては約325hp~約350hpを発揮すると云われています(レーシング仕様は僅か50台で、0-100km/hの加速時間は3.7秒)。

その後、このレーシング仕様をベースに公道仕様へと改造したのが、911カレラRSR 3.8ストラッセンバージョンになるわけですが、前述にもある通り、生産された台数は僅か2台のみとなります。

公道モデルで見られる全ての無駄を一切削ぎ落し、それでいてオーナーが約3年もの年月をかけるほどの特注仕様でオーダーしたということは、おそらくその費用も想像できないレベルで高額だったと思いますが、例えば長期間放置されてエンジンが始動できなくとも、その希少価値は新車価格を優に超えるほどの価値を持つことに(結果として2017年に日本円で3億円超えとなった)。

とにかく車内は「真っ赤」

一部仕様を見てくと、大きくトリミングされたガーズレッドのレザーインテリアが採用され、ボディカラーはかなり希少なポーラーシルバーメタリックにて塗装。

そして内装には、ロールケージからステアリングコラムに至るまで、この車の内部のほとんどすべて真っ赤な素材を使用しているのも特徴の一つですが、現代のポルシェでもここまで真っ赤な個体は見たことがありません。

あとは、公道仕様ということで助手席が設けられ、センターロックやエアジャック、ロッキングディファレンシャル、ル・マン仕様のツインプラグエンジンなども装備。

そして足元も見ていくと、アメジストメタリックで仕上げられた3ピースシルバーラインのアルミホイールが装着、足回りにはゴールドペイントのブレーキキャリパーと、現代のポルシェでは中々見られない組合せ。

予想落札価格は日本円で約3.7億円だが、もしかすると4億円に到達する可能性も?

最後に、このモデルは2023年11月25日のオン・ザ・グリッドアブダビオークションに出品され、予想落札価格は200万ドル~250万ドル(日本円に換算して約3億円~約3.7億円)とのことですが、今後その価値が更に高騰することも踏まえ、日本円で4億円にて落札される可能性もあるようです。

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Reference:Instagram(arthrh_photo), CARBUZZ