まさに珍事!イタリア政府がアルファロメオ新型ミラノについて「イタリア以外で製造するのは違法」と指摘!もしイタリアで製造すれば160万円以上値上げに?!

ステランティスグループが、このような「落とし穴」を見落とすとは信じたいが…

アルファロメオが2024年4月11日に発表した、新世代BセグメントSUVモデルとなる新型ミラノ(Alfaromeo New Milarano)。

ボディサイズは、全長4,170mm×全幅1,780mm×全高1,500mmとヤリスクロスやヴェゼル相当のコンパクトさを持ちながら、ステランティスグループのジープ・アベンジャーやフィアット600と同じプラットフォーム(CMP2)を採用することで、価格帯も安価且つ大量生産にも適した一台と言われています。

ちなみに本モデルの製造元は、アベンジャーやフィアット600と同じポーランドの工場を予定していますが、どうやらこの工場での製造が「違法」になるとイタリア政府が指摘しているそうです。

一体なぜ「違法」になるのか?その意外な理由を見ていきましょう。


どうやらイタリアでは「イタリアっぽい商品名を、イタリア以外で製造」することを法律で禁止しているようだ

今回、イタリア政府がアルファオロメオ新型ミラノの製造に対して「違法」と主張しているのは、車名に”ミラノ”とイタリアの都市を利用しておきながら、製造元がイタリアではなくポーランドだから。

つまり、イタリアの産業大臣であるアドロフォ・ウルソ氏によれば「イタリアで生産されていない”イタリア名が付いた製品”をイタリア本国以外で製造することは法律で禁止」されているため、このままだとミラノは販売できない可能性が浮上しています。

ポーランドで製造することのメリットは「1万ユーロ(約164万円)もコスト低減が可能」だから

アドロフォ・ウルソ氏は、「ミラノという名前の車は、ポーランドでは生産できません」とアルファロメオに強く非難し、「この法律では、消費者に誤解を与えるような表示をしてはならないと定められています。したがって、ミラノという車はイタリアで生産されなければなりません。そうしないとイタリアの法律で許可されていない誤解を招く表示になります」と説明。

なお、イタリア政府がこの問題について言及する前、ステランティスグループCEOのカルロス・タパレス氏は、新型ミラノの発表セレモニーにて、イタリアではなくポーランドでミラノのICE(マイルドハイブリッド)グレードとEVグレードの両方を製造することで、当初の価格から1万ユーロ(日本円に換算して約164万円)を削減できると述べていました。

ステランティスグループが最も避けたかった最悪のシナリオが、意図せず完成してしまう…

こうした背景から、ミラノの車両本体価格は30,000ユーロ(日本円に換算して約490万円)未満で販売されることが可能と大々的に謳っていたわけですが、ポーランドでの製造ができないともなると、上記のコスト削減は実現できず、結果的にコスパの悪いモデルになってしまうことに。

カルロス・タパレス氏は、「イタリアで製造されていれば、ミラノの価格は3万ユーロではなく約4万ユーロ(日本円で換算して約655万円)からとなり、市場での可能性は限られていただろう。だからこそ、ミラノは世界でもリーズナブルな車にしたかった」と海外カーメディア・オートニュースにて語っていましたが、その最悪のシナリオが、意図せずに実現してしまうのかもしれません。

2ページ目:車名の”ミラノ”を変更するのも、イタリア本国で製造するのも、どちらもコストがかかる恐れが…?