ホンダ新型WR-Vは「走りが楽しい!」内装は確かにチープだが、質感を求める車ではなく「ホンダらしい走りの楽しさ」を求める車だと思う
新型WR-Vは、良い意味で割り切ったモデルであり、乗ってみると内装のチープさとかは、どうでもよくなるかもしれない?
2024年4月に私に納車されたばかりとなる、ホンダ新型WR-V Z+グレード[2WD]。
本モデルの走行距離も500kmを超え、少しずつこのモデルの良さや、「どうしてこのモデルを売ろうと思ったのか?」など、ホンダがこのモデルで伝えたかったことが少しずつわかってきたように感じられます。
WR-Vは、インドにて販売されるエレベイト(Honda New Elevate)の日本市場向けであり、既に日本や欧州市場、アメリカなどでも販売されている新型ヴェゼル(New Vezel)のガソリン×前輪駆動[2WD]版ではあるものの、価格帯に対しての装備内容や内装のチープさが結構目立つ一台でもあります。
しかしながら、実際に乗ってみると「装備内容」や「内装のチープさ」はどうでも良くなってくるほどに「走り」に特化している印象で、ホンダの根底にある「走りのホンダ」を押し出した一台ではないかと考えています。
内装の質感の割り切りは、トヨタ・カローラクロスにも似ている
まずSNSやYouTubeにて、何かと批判の対象になっているのがWR-Vの内装のチープさについて。
これはエントリーコンパクトSUVという立ち位置である以上、価格帯を抑える意味でも内装にかけるコストを抑えていることは理解できるものの、「競合のヤリスクロスよりも安っぽくて無理」「ライズ/ロッキーよりも酷い」「こんなの恥ずかしくて乗れない」など、とにかく質感に対する批判が多め。
これはあくまでも私個人の考えですが、この内装のチープさこそ、ホンダが狙っていた意図的な割り切りポイントだと考えて、イメージとしてはトヨタ・カローラクロス(Toyota New Corolla Cross)のような「頑張り過ぎないような適度さと普通」に近いニオイを感じているんですね。
「チープさ」を剥き出しにすることで「メカニカルさ」に表現したかった?
WR-Vの内張りとかを見ても、合成皮革やファブリックよりもハードプラスチックの方が多いですし、画像では確認しづらいですが、内ドアハンドル付近には、締結されたボルトヘッドが剥き出しで見えていて、この点は「チープ」や「手抜き」「コストカット」というよりも、割り切りとメカメカしさをそのまま演出したかったのでは?と思ったり。
確かに最初見たときは「この車結構思い切ったことやってるなぁ」と思いましたし、コストが他のモデルよりも抑えられているからこそ、見た目であきらめざるを得ないところもあるとは思うのですが、ホンダはその致し方ないポイントを”敢えて武器”にすることで、「WR-Vが力を入れているのはソコじゃない」というメッセージが込められているのでは?と私なりに汲み取ったんですね。
ホンダがハイブリッドe:HEVではなく、ガソリンモデルにこだわる理由も「軽さ」が影響している?
実際のところ、この車が一番強みとしているのは、質感や快適装備ではなく、ホンダが最も強みとしている「走り」そのものであり、BセグメントSUVでありながらも、ノンハイブリッドモデル本来の強みでもある軽さを活かした、軽快な走りとワインディングでのコーナリング性能だと考えています。
そして、排気量1.5L 直列4気筒自然吸気エンジンを搭載しながらも、どことなくエンジン始動音は新型シビックタイプR(New Civic Type R, FL5)を連想させるような野太いサウンドが魅力で、乗っているのはSUVなのに、エンジンをかけるたびに「ワクワクする」のも、他のモデルには良さだと思っています。