ホンダ新型フリードが日本カー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した本当の理由とは?モータージャーナリスト達のコメントに「本心」はあるのか見ていこう
(続き)ホンダ新型フリードが日本カー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した理由とは?
引き続き、ホンダ新型フリードが日本カー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した理由・総評を見ていきましょう。
後半戦となるモータージャーナリストたちの総評をまとめてチェック
モータージャーナリストの方々の総評後半戦を見ていきましょう。
[佐藤久実 氏]
5ナンバーのジャストサイズで機動性に優れながら、3列シートモデルでは大人が座れるスペースを備える室内空間を確保。
グラスエリアが広く見切りが良く運転しやすい。
そして新しい2モーターe:HEVはなめやかで、一体感のある操縦安定性。
デザイン、室内空間、パワートレーンなど、全方位においてバランスの取れた性能は、日常からロングドライブまでユーザーや乗員に寄り添い快適なドライブを実現する。
よって、イヤーカーに相応しいと選出しました。
[塩見智 氏]
去年のプリウスのように“普通に考えたらそうだよね”的な本命が存在せず、10ベストに入ればイヤーカーもあり得るチャンスイヤーだった。
つまり僅差ではあるのだが、絶妙なサイズ、手頃な価格、パッケージングの工夫、そして何より完成度が高まったe:HEVによって上質な走行体験を味わわせてくれることを理由にフリードに10点を投じた。
ミニクーパーはBEVもICEも選べる間口の広さ、IONIQ5 Nは電気を楽しさに全振りした潔さと技術力が理由。
[世良耕太 氏]
多様な使い方に対応する間口の広さが拡大しており、この点を高く評価した。
内外の見た目は“新しくなった”感にあふれており、変化点はことごとく機能に裏打ちされている。
例えばAピラーまわりの処理変更により死角が大幅に減少し、より安心して運転できるようになった。
2列目、3列目席のすごしやすさも大幅に改善。AWDは氷雪路だけでなく乾燥路でも有効。パワートレインはガソリン、ハイブリッドともに洗練の度合いが増している。
[竹下元太郎]
豊かなクルマ社会を考えるとき、高級車がより高級になったり、スポーツカーがより速くなること以上に大事なことがあります。
人々の毎日の生活を支えるクルマが、一段と魅力的になってほしい。乗る人が快適さを感じるだけでなく、社会に与えるインパクトがより少なく効率的になり、加えて実用面、機能面において洗練されていってほしい。
e:HEV技術を得たホンダ・フリードにはそれが認められました。それだけではなく、ガソリン車を設定することで、購入しやすさにも配慮している点にも一票を投じました。
[戸田治宏 氏]
両雄並び立つコンパクトミニバンの一台。
3代目となる新型は旧型オーナーに支持された商品コンセプトを忠実に受け継ぎ、多岐にわたる基本技術を一つひとつ地道に改良。
派手さはないものの、動的質感を含めてコンパクトミニバンの水準を従来にないレベルまで引き上げた。
HVシステムをe:HEVに一新し、HVの魅力が格段に向上した点も大きい。
クーパーは非常に贅沢なクルマだが、BEVを含めて完成度はピカイチ。
ランクル250はハードウェアの出来映えと“ランクル”を貫く開発姿勢に敬意を表したい。
[橋本洋平 氏]
1位フリードは、ミニバンでありながらも走りを忘れず、どの席に座ったとしても乗り心地を満たしていました。
また、e:HEVによるモーター駆動は、静粛性や滑らかさがあるだけでなくリニアなアクセル応答を生み出していたところも好感触。
4WDモデルはリアにもしっかりとトルクを与えることを可能としており、雪道におけるコントロール性も抜群です。
2位クーパーはEVモデルの正確性の高い走りを評価。
3位アイオニック 5 Nは高トルクを生み出すモーターを使った駆動制御や音の演出が心に刺さりました。
[まるも亜希子 氏]
コンパクトでもしっかりミニバンとして使えるよう、収納やシートアレンジ、走りや乗り心地の良さを磨き上げてきたフリード。
とくに2列目シートの快適性向上は素晴らしく、福祉にもレジャーにも使えるスロープ仕様も魅力的です。
MINIクーパーは多彩なタイプを揃え、未来的な演出とMINIの伝統を見事に融合した、期待の上をいく傑作。
そして、ランクルの原点に立ち戻り、DNAを継承していくために己の道を極めたランドクルーザー250は、世界に誇れる1台だと思います。
[山田弘樹 氏]
シンプルで親しみの持てるデザインとインテリア。
考えに考え抜かれた実用性。
先代から大きく進化した、運転したときの一体感。
いま私たち日本人が現実的に購入できるクルマを考えたとき、フリードは自信をもって勧められるコンパクト・ミニバンです。
[渡辺陽一郎 氏]
日本カー・オブ・ザ・イヤーだから日本の顧客に優しい車種を選ぶ。
1位はフリード。エアーはミニバンでは貴重な5ナンバー車ながら、広い室内や2列目セパレートシートなど多彩な機能を備えている。
フロントマスクなどはミニバンでは柔和な印象で、周囲の人達にも優しい。
2位はフロンクス。
インド製の輸入車だが、4WD、足まわり、タイヤなどは日本専用で、全長を4m以下に抑えて内外装や走りは上質だ。
3位はCX-80。3列目が最も快適なSUVで、商品力が曖昧なCX-60より先に発売すべきだった。
以上の通りとなります。
個人的に目に留まった総評は?
如何だったでしょうか?
前半戦と後半戦の総評を見ていきましたが、個人的に目に留まった総評は[塩見智 氏]の評価内容。
「去年のプリウスのように“普通に考えたらそうだよね”的な本命が存在せず、10ベストに入ればイヤーカーもあり得るチャンスイヤーだった」
ここに塩見 氏の本音が込められているような気がして、しかしフリードに対して中身のあるコメントが出来ているかどうか?と言われると表面的な内容に留まっているのですが、ある意味で「最もモータージャーナリストの本音を引き出したコメント」だと思いますし、日本カー・オブ・ザ・イヤー自体を見直すイイきっかけになるのでは?と思っています。
1ページ目:前半の総評は、ジャーナリスト本心のコメントが見られない?