日産ディーラーが日産メーカーを訴える?!主力モデルの新型ローグ(日本名:エクストレイル)/セントラ等の新車・在庫車が不足しているにも関わらず、近くに新たな日産ディーラーを建設→訴訟問題に

未曽有の危機に立たされている今、同じディーラー同士の潰し合いが起きてはならない

昨今の諸事情による部品供給不足や半導体の供給不足により、どの自動車メーカーも生産工場の稼働を停止することを余儀なくされ、その結果として新車の大幅な減産→新車不足・長納期問題へと発展していますが、こうした問題により、北米の日産ディーラーでは訴訟問題に発展するほどの大きなトラブルが発生しているようです。

▽▼▽関連記事▽▼▽

海外カーメディアAutomotiveNewsの報道によると、アメリカ・ニューヨーク州ヨンカーズにある日産ディーラーが、新車不足や長納期により(顧客のもとに中々納車できていないため)販売実績が下がっているなか、何と僅か10km以内のところに新たな日産ディーラーが建設され、近日中にオープンすることが明らかになっています。


ヨンカーズ日産ディーラーは、新店舗を特別扱いする日産メーカーに対して「契約違反」だと主張

今回のトラブルに対してヨンカーズ日産ディーラーのゼネラルマネージャーは、「ただでさえ新車や在庫車が不足しているにも関わらず、同ブランドの競合ディーラーを近くに建設・オープンし、新車・在庫車を提供するのは違反ではないか?販売店同士で潰し合いでもしろというのか?新車が不足している今、フランチャイズ化してる場合じゃないだろ!」と、日産メーカーに不公平であることを主張。

これに加え「メーカーが新店舗側を特別扱いすることを目的とした行為は契約違反及び州法違反である」と付け加え、ヨンカーズ日産ディーラーはメーカーに対して訴訟を起こすと語っています。

ヨンカーズ日産ディーラーでは、フルモデルチェンジ版・新型ローグ(Nissan New Rogue/日本名:エクストレイル)や新型セントラ(New Sentra)などの主力モデルが非常に人気で、既に長納期状態で在庫も枯渇状態。

それに対してすぐ近くの新店舗では、こうした新型ローグなどの主力モデルを在庫車として配備することが明らかになっているわけですね(確かにこのような事実を知ってしまうと気分は良くない)。

ヨンカーズ日産ディーラー「この状況で新店舗のオープンは認められない」

新店舗を建設するということは、それだけ設備投資や人件費も増えるわけで、新車を次々販売していかないと投資収益は得られないわけですし、今回のように「新車・在庫車が不足」→「販売台数を増やせない」→「利益が上げられない」ともなると、在庫車のあるディーラーに顧客が移ってしまい「顧客の奪い合い=ディーラー同士の潰し合い」といった、本末転倒の事態にまで発展してしまうことを恐れているんですね。

なおAutomotiveNewsによると、2022年2月9日時点で、この問題に関して日産メーカーはコメントを控えているとのことですが、ヨンカーズ日産ディーラは「新店舗オープンの取消しを要求する」として、もしもオープンする場合は、弁護士費用と共に損害賠償を請求すると語っています。

またヨンカーズ日産ディーラーの弁護士も「より多くのディーラーを市場に詰め込むことは、既存ディーラーのバランスシートに追加のストレスをかけるだけであり、消費者に実際の追加の利益を提供することはありません」とコメント。

日産はこの後どのように動くは全くもって不明

もちろん、これは日産だけに限らず全てのメーカーにも言えることだと思いますし、北米だけでなく全世界のディーラーが売り上げを高めていくことは重要である一方、製品が人々の暮らしを豊かにするために存在するのであって、「店舗を潰し合うためのモノ」ではないということ。

今回どうして日産メーカーがこのような対応をとったのかは全くもって不明ですが、日産メーカーからの正式な回答と共に、今後新店舗に対してどのような対応をとっていくのか注目したいところです。

☆★☆関連記事5選はコチラ!☆★☆

Reference:AutomotiveNews