日本カー・オブ・ザ・イヤー候補に選ばれた日産の新型セレナ(C28)。オーナー目線で評価したときに本当に「優れたクルマ」だと言い切れる?

10ベストカーの一つに選ばれた車を所有するオーナーとしても、今年のカーオブザイヤーは興味がある

一般社団法人 日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会が毎年開催している、「今年発売された市販車で最も優れたクルマ」を選ぶ日本カー・オブ・ザ・イヤー2023ですが、今回は2023年12月7日に最終選考会にてイヤーカーが決定します。

カー・オブ・ザ・イヤーの選考の基準として、選考委員が対象車についてコンセプトやデザイン、性能、品質、安全性、環境負荷、コストパフォーマンス等を総合的に評価して選考する」と定めていて、2023年の10ベストカー候補に以下が選定されました。

◇スバル・クロストレック

◇トヨタ・アルファード/ヴェルファイア

◇トヨタ・プリウス

◇日産セレナ(C28)

◇ホンダZR-V

◇三菱デリカミニ

◇アバルト500e

◇BMW X1

◇マセラティ・グレカーレ

◇フォルクスワーゲン

今回、これらの中で私が所有する日産の新型セレナ(Nissan New Serena, C28)について見ていきたいと思います。


私が所有する新型セレナ(C28)について

こちらが、2023年4月に私に納車されて、もうすぐ7か月が経過する日産のフルモデルチェンジ版・新型セレナe-POWERルキシオン(Nissan New Serena e-POWER LUXION, C28)[2WD]。

グレードラインナップの中では最も上のグレードで、車両本体価格は4,798,200円(税込み)、オプションや諸費用分などを全て含めると約550万円にまで跳ね上がります。

日本を代表するミドルサイズミニバンということで、競合モデルのトヨタ新型ノア(Toyota New Noah)/ヴォクシー(New Voxy)やホンダ新型ステップワゴン(Honda New STEPWGN)が挙げられ、これら3台を所有する私としては(ヴォクシーは既に売却済み)、やはりセレナ(C28)がどのような理由でカー・オブ・ザ・イヤーの候補に選定されたのかはとても気になる所。

そこで、実際に所有するオーナーから見て、セレナe-POWERルキシオンは本当にベストと云える車なのか?「実際に所有し、普段使いしてみないとわからないオーナー目線での気になったポイント」もご紹介していきたいと思います。

新型セレナ(C28)のコンセプトは再現されている?

まずはコンセプトについてですが、新型セレナ(C28)では、初代から受け継がれる「BIG/EASY/FUN」のコンセプトに代表される室内空間の広さや利便性はそのままに、移動時の快適性を追求し、最先端技術の搭載や様々な機能の充実を図ることで、家族との大切な時間を思い切り楽しむことが出来るミニバンとして、さらなる進化を遂げたと説明しています。

このコンセプトのなかで、個人的に最も気になるのが室内空間と利便性なのですが、競合ミニバンを引き合いに出さなければ、2列目キャプテンシートの使い勝手は確かに良いものの、しかしその一方で3列目シートを跳ね上げで格納してしまうと、「2列目シートと跳ね上げしたシートが干渉してしまい、2列目がほとんどリクライニングできない」という問題が発生します。

更に2列目をリクライニングできるようにするには、3列目を格納しないことが前提になるのですが、そうなると3列目よりも後方のラゲッジスペースが極端に狭くなってしまい、旅行や長距離移動の際には荷物がほとんど積めないという問題も出てきます。

この時点で、室内空間と利便性が高いとは言い切れず、多人数どころか4人での旅行でも荷室スペースがほとんど活かせないミニバンというのはとても残念ですし、「果たしてコンセプト通りの車なのだろうか?」と疑問に思ってしまうのが正直なところ。

ちなみに、3列目を跳ね上げ式にして、2列目キャプテンシートを両サイドギリギリまでスライドすれば、上の画像の通り約3,000mmほどの長尺物も収納可能ですが、荷室の使い勝手は競合モデルに比べると決して良いとは言えず、やはり3列目跳ね上げのシートの厚みが、背高い荷物を積む際に邪魔になってしまっています。

関連記事にも、たくさんの荷物をラゲッジスペースに積んだ画像などを掲載していますので、参考までに見て頂けますと幸いです。

2ページ目:新型セレナe-POWER LUXION(C28)はカー・オブ・ザ・イヤーの候補に適した車?