ケーニグセグ最新モデルは「Jesko(ジェスコ)」で決定。”光速シフト”するマルチクラッチユニット搭載、そして”Jesko”の名前の由来は?

2020-05-27

遂に「Jesko(ジェスコ)」が世界初公開!ところで”Jesko”って何が由来なの?

昨日の3月5日より開催中のスイス・ジュネーブモーターショー2019にて、ケーニグセグのハイパフォーマンスモデル「アゲーラ」の後継モデル「ジェスコ(Jesko)」が遂に世界初公開されました。
このモデルは、ケーニグセグCEOであるクリスチャン・フォン・ケーニグセグ(Christian von Koenigsegg)氏の父親であるジェスコ・フォン・ケーニグセグ(Jesko von Koenigsegg)氏の名前が由来となっています。
しかも、この「ジェスコ」という名前は、実際にジュネーブモーターショー2019にて発表される直前まで、父親には秘密にしていたとのことで、ある意味サプライズモデルと言っても良いでしょうね。


ノンハイブリッドで1,600ps発揮は正気の沙汰ではない

今回発表された個体は、ケーニグセグ初のPHV「レゲーラ」とは全く異なるノンハイブリッドモデルで、排気量5.0L V型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力はE85バイオ燃料を使用することで1,600psというとんでもないパワーを発揮します。
そして、パフォーマンス面においては最高時速482km/hにまで到達するとのことで、あの直線番長とも言うべきヘネシー・パフォーマンス「ヴェノム F5」をライバル視したスペックを誇ります。

今回採用されているV型8気筒ツインターボエンジンは、従来エンジンよりも5kgの軽量化した180度フラットプレーンクランクシャフトを特長としており、最大8,500rpmまでの回転数を誇ります。
そして、より多くのパワーと官能的なサウンドを生み出すことを可能にした究極のV8エンジンとなっています。
ここに加えて、さらに20Lのカーボンファイバ製エアタンクを採用し、エア駆動する小型の電動コンプレッサーに直接リンクすることで、ターボラグを解消し、ターボの回転を引き継ぐ前にシームレスでスピーディなレスポンスと大幅なブーストアップを提供することが可能になると言われています。

また、スペックにおいては、95オクタンの無鉛エンジンにて走行する際、最高出力1,262hp(1,280ps)を発揮しますが、上記にも挙げた通りE85バイオ燃料を使用することで最高出力1,600ps/最大トルク1,500Nm(ブガッティ「シロン」の最高出力1,500ps/最大トルク1,600Nmを反転)というとんでもないパワーを発揮します。

まさに”光速変換”を実現したマルチクラッチユニットを開発

そして、これらのパフォーマンスを最大限に発揮するのがトランスミッションで、これはケーニグセグがオリジナルで開発したLight Speed Transmission(LST)と呼ばれており、9速マルチクラッチユニットを採用することで、ほぼ光速レベルで任意のギア間を変更することが可能となっています。
これは、従来のデュアルクラッチトランスミッション(DCT)とは異なり、ギア間の直接の変更を可能にし、同期を待たずして7速→4速といった感じで瞬時にシフトすることが可能になると言われています。
しかも、このトランスミッションの重量は僅か90kgと非常に軽く、ウェットクラッチやフライホイール、フルード、スターターモータ、オイルポンプを完備しているので、他のDCTギアボックスよりも遥かに軽量に仕上げられているとのこと。

外観は全体的に大きく、そして室内空間も大きく確保

ここからはようやくボディですね。
「ジェスコ」は、「アゲーラRS」よりも全長が40mm長く、22mm全高が高く作られています。
これにより、インテリアのスペースは広くすることが可能となり、居住性を向上。
そして、シャシーのフロントにはトリプレックスダンパーが装備されているため、従来のオーリンズダンパーに加えて、リヤで加速時に車がしゃがみ、常にフラットに保たれるのを防ぐことができますことから、非常に安定した走行が可能となります。

そして足元には、カーボンファイバ製ホイールを装着しており、これはケーニグセグ史上最も軽量なホイールとなっており、フロントの20インチはそれぞれ僅か5.9kg、リヤの21インチはそれぞれ7.7kgとなっています。

最大ダウンフォースはレーシングカー顔負けの1,400kgを発生

少し角度を変えてみましょう。
新型「ジェスコ」では、巨大なフロントスプリッターと、それ以上に巨大でド派手なブーメラン形状のリヤウィングを装備しています。
これにより、250km/hのスピードにて約800kg、275km/hのスピードにて約1,000kg、そして最高速度となる482km/hにて1,400kgの強力ダウンフォースを発生すると、ケーニグセグは主張しています。
これは、究極のダウンフォース量を発揮するブラバムのレーシングモデル「BT62」の1,200kgよりも更に高い数値を誇るため、「ジェスコ」がいかにしてヤバ過ぎる公道仕様モデルであるかがわかるかと思います。

ケーニグセグの代表的なドア開閉も改良

「ジェスコ」のボディには、エアロキットの要素から「ディヘドラル・シンクロ・へリックス・アクチュエーション・ドア(別名:ラプター・ドア)」やフードまであらゆるものを操作できる小型の油圧アクチュエータ「Koenigsegg Autoskin system」も装備されていて、これは車輌用のキーレスリモコンにて操作することが可能となっています。

ちなみにコチラが、ケーニグセグの象徴ともいえるラプター・ドア。
一旦ドアが外に開いた後、上下方向にドアが回転して開くという造りとなっていて、これはケーニグセグ以外採用していない個性的なドア開閉となります。
より実用性を向上するために、高い縁石はもちろんのこと、かなり横幅を取る開き方でもあるので、そういった点を改良すべくシャープでより上方へと開くように再設計する一方、近くに接触するような壁や対象物があれば、開かないような仕組みにもなっているため、非常に便利な仕様へと改良されました。

インテリアも先進性を向上

最後はインテリアですね。
触覚的なフィードバックを備えたデュアル小型タッチスクリーンディスプレイを備えたステアリングホイールと、かなりコンパクトな5インチSmartClusterデジタルインストルメント・ビンナクルを装備していますね。

こちらはセンターシフトノブ。
クラフトマンシップ技術を活かした美しい仕上がりになっています。

「ジェスコ」は、世界限定125台のみ販売され、もちろん既に完売しています。
年間生産台数としては40~50台と言われているため、2年半~3年で生産完了となるわけですが、その価格は超高額な3.4億円からと予想されています。

【Koenigsegg Jesko – Debuts at Geneva Motor Show 2019】

【New KOENIGSEGG JESKO with Christian von Koenigsegg! | FIRST LOOK】

あの自動車系大物ユーチューバーのShmee150氏もしっかりとレビューしていますね。

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Reference:CARSCOOPS