東京都・渋谷区で発生した73歳のタクシードライバーによる6人死傷事故。週刊文春が公開した運転手の息子の取材内容があまりにも心苦しい件【動画有】

2022-06-29

なぜタクシーの運転手は高齢者が多い?

ちなみに私も、県外や海外(最後に行ったのは韓国)に出張に行く際には、その地でタクシーを利用することも多いのですが、確かに日本国内でも韓国でも60歳以上の高齢男性であることが非常に多く、そのほとんどが定年退職となったため、それがきっかえでタクシードライバーになったという方がほとんどでした。

あとはタクシードライバーの多くが「やたら飛ばす」という印象で、例えば「〇〇時までに〇〇にお願いします」とタクシー会社に予約の電話をすると、タクシーはその時間までに向かわなければならないため、ドライバーも急いで向かうために「飛ばしている」ように見えてしまうんですね。

もちろん、全てのタクシードライバーの方が同じと言うわけではないのですが、当時出張などで利用したタクシーの運転手さんから色々と話を聞いてみると、時間にも結構厳しく、時には早く到着しても中々お客さんが乗りに来ないといったことも多いために、車内で過ごす時間も多くなってしまうとのこと。

こういった長時間拘束される過酷な現場のなかで、しかも高齢の方が運転するとなると確かに事故するリスクも高いですし、健康診断では問題無くても、勤務中に何かしら体に異常が起きるというのも十分に考えられると思うんですね。


タクシーの勤務は住宅ローンを返済するため

なお今回の事故が発生した後、そのタクシー会社には多数のクレームが発生しているとのことで、仕事の激減はもちろんのこと、他のタクシー運転手もハンドルを握るのが怖くなり、辞める人も続出しているそうです。

そして週刊文春さんが、実際に73歳のタクシー運転手の息子さんに取材した内容を見ていくと、事故を起こした運転手は「住宅ローンの返済に追われていた」とのことで、地方でのタクシー勤務ではなく、交通量の多い東京にて務めていたとのことで、もしもローン返済が完了したら奥さんと地元にてゆっくり暮らすのが夢だったそうです。

この状況で聞くと何とも心苦しいエピソードになってしまいますが、今回の事故は意図的なものではなかったとしても、6人の死傷事故にまでつながっているため、恐らく運転手も悔やんでも悔やみきれない状況になるのではないかと思います。

謝っても謝り切れない、恐らく被害を受けた側も責めるに責め切れない状況になるかもしれないですし(業務上過失致死とはならず、罪を問えない恐れもあるかもしれない…)、そう考えると、今回のような事故が二度と起きないためにも、改めて安全機能が充実した(人を検知して緊急ブレーキを作動)車両もしくは後付けできるような機能を設けることも重要だと思うんですね。

例え小さなタクシー会社であっても、人の命を預かって運転することは「会社の大きい小さい」は全く関係ないわけですから、まずはタクシー会社から変わっていくことも大事になってくると思います。

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Reference:文春オンライン