1995年にF1ドライバーのフェラーリ512Mが盗まれる事件が欧州にて発生→何と約28年間も「日本」で保管された後にイギリスにて発見される!

(続き)フェラーリF1ドライバーの512Mが盗まれたその後

引き続き、フェラーリF1ドライバーの512Mが盗まれたその後について見ていきましょう。

実はこの車両以外にも、ジャン・アレジ氏のF355も盗まれていた

この盗難被害は、1995年のサンマリノGP開催中に発生したもので、レース中にフェラーリF1ドライバーであるゲルハルト・ベルガー氏の512Mが盗まれるだけでなく、他にもジャン・アレジ氏のF355も盗まれました(つまり2台のフェラーリが盗まれた)。

盗まれた車両が見つからないまま、約30年という長い期間が経過した2024年、地元警察の捜査により、何とサンマリノGP以降に512Mがそのまま日本に持ち込まれていたことが判明。

どうやら512Mは、2023年まで日本のとある場所に保管されていたそうですが、その後イギリスに送られて競売に出品 → アメリカ人オーナーが興味を示して落札する直前に、「この車、どこかで見たことあるぞ…」と疑問に思ったことから警察に通報。

連絡を受けた警察は、オークションに出品されていた512Mを取り下げるよう依頼し、基本情報を調べたところ、ゲルハルト・ベルガー氏の個体である可能性が浮上しました(この時点では断定できず)。

まさかオークションに出品されていた個体が盗難車である可能性が出て来たとは…

出品車両に違和感を感じたアメリカ人ユーザーはファインプレー

アメリカ人ユーザーや地元警察も予想もしていなかったと思いますが、何よりも一番驚きだったのは、アメリカ人ユーザーが出品車両に疑問を感じたことではないかと思います。

おそらくは、F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガー氏の存在を知っていて、512Mが盗まれたことも把握していた生粋のファンだったのかもしれないですし、何れにしてもこのまま数奇な運命を辿ることなく発見されたことは奇跡。


捜査の結果、やはりゲルハルト・ベルガー氏の車両であることが判明

車両がイギリスにて発見された後、ロンドン警視庁の組織車両犯罪対策課は世界的な捜査を実施し、改めてゲルハルト・ベルガー氏が所有していたものであると断定。

捜査が始まってからわずか4日後、警察は国外への出国を阻止するために車を追跡し押収することを決定しました。

捜査を主導したマイク・ピルビーム巡査は「われわれの捜査は骨の折れる作業で、世界中の当局に連絡することも含まれていた」と語り、加えて「私たちは国家犯罪庁、フェラーリ、国際的な自動車販売店などのパートナーと迅速に協力しました。この協力は、車両の背景を理解し、国外への流出を阻止するのに役立ちました」とコメント。

今回発見された512Mは、何らかの形で28年ぶりにオーナーのもとへと返却される可能性がありますが、一方でこの車両を盗んだ犯人は未だ見つかっていないそうです。

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Reference:CARSCOOPS, MetropolitanPolice