トヨタ/ホンダ/マツダ/スズキ/ヤマハに不正行為発覚!トヨタは歩行者保護試験での虚偽と衝突試験の不正…ホンダは「過去22車種」に騒音結果の虚偽記載等

2024-06-04

ダイハツの大規模不正が発覚したことをきっかけに、国土交通省は自動車メーカー等への調査を進めていたようだ

国土交通省は2024年6月3日、「型式指定申請における不正行為の有無等に関する自動車メーカー等の調査報告の結果等について」のプレスリリースを発行しました。

このプレスリリースの内容からもお分かりの通り、日本国内の自動車メーカー複数社に不正行為があったとして報告されています。

2023年12月に発生した、ダイハツの大規模不正問題を受け、国土交通省は型式指定を取得している自動車メーカー等85社に対し、型式指定申請における不正行為の有無等に関する調査・報告を指示していました。

その結果、2024年5月末までに自動車メーカー5社から、型式指定申請における不正行為が行われていたとの報告があり、今回のその中身が公開されています。


「メイド・イン・ジャパン」による品質や安全性、信頼性が高いという話は過去のものに?

via:撮影:三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY

国土交通省の公式プレスリリースにも記載されていますが、今回のような型式指定申請において不正行為を行うことは、ユーザーからの信頼を損ない、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、新たな不正行為が明らかになったことは大きな問題となっています。

以前は「メイド・イン・ジャパン」による製品は「高品質・高性能・高信頼」といったイメージがありましたが、昨今の日本製品の不正問題が明るみになってから、日本製の信頼性、品質はどんどん低下(自動車のクレームやリコールも多い)。

国土交通省としては、道路運送車両法に基づき、報告のあった5社に対して更なる調査を実施し、その結果に基づき、厳正に対処していくと説明しています。

各メーカー、具体的にどういった不正があったのか?

そこで気になるのは、今回国土交通省から発表された5社の不正行為について、具体的にどういった不正があったのか?ということ。

今回不正が明らかになったのは、トヨタ/マツダ/ホンダ/スズキ/ヤマハ発動機の5社。

具体的な不正行為については、以下の通りとなっています。

【報告のあった不正行為の内容一覧】

[トヨタ]

◇現行生産車3車種(カローラフィールダー/カローラアクシオ/ヤリスクロス)について、歩行者保護試験における虚偽データの提出等

◇過去生産車4車種(クラウン/アイシス/シエンタ/RX)について、衝突試験における試験車両の不正加工等


[マツダ]

◇現行生産車2車種(ロードスターRF/MAZDA2)について、出力試験におけるエンジン制御ソフトの書換え

◇過去生産車3車種(アテンザ/アクセラ/MAZDA6)について、衝突試験における試験車両の不正加工


[ホンダ]

◇過去生産車22車種について、騒音試験における試験成績書の虚偽記載等
・インスパイア
・フィット
・CR-Z
・アクティ
・ヴァモス/ヴァモスHobio
・ステップワゴン/ステップワゴンSPADA
・レジェンド
・アコード/アコードツアラー/アコードハイブリッド
・フィットシャトル
・インサイト・エクスクルーシブ
・CR-V
・フリード/フリード+/フリードスパイク
・N-BOX/N-BOX Custom
・N-ONE
・オデッセイ
・N-WGN/N-WGN Custom
・ヴェゼル
・グレイス
・S660
・シャトル
・NSX
・ジェイド


[スズキ]

◇過去生産車1車種(アルト)について、制動装置試験における試験成績書の虚偽記載


[ヤマハ発動機]

◇現行生産車1車種(YZF-R1)について、騒音試験における不適正な試験条件での実施

◇過去生産車2車種(YZF-R3/TMAX)について、警音器試験における試験成績書の虚偽記載

以上の通りとなります。

何れも悪質な不正内容と言えるかと思いますが、個人的に気になるのは、今後発表・発売されるであろう新型車・新車のスケジュールに影響は出ないのか?ということ。

現時点では、現行車もしくは過去車を対象としていますが、これから販売される新型車などの調査はどうなっているのかも気になるところ。

当然ではあるが、国土交通省の指示には「対象車種の出荷停止」も

なお、国土交通省としては、今回の不正行為の報告があった5社に対して、以下の指示を出しているそうです。

◇国土交通省が基準適合性を確認するまで、不正行為のあった車種の出荷を停止すること

◇最終的な調査結果を速やかに提出すること

◇ユーザー等への丁寧な説明や対応に努めること

◇不正行為の報告があった5社に立入検査を行い、不正行為の事実関係等の確認を行う

◇国土交通省及び(独)自動車技術総合機構において、不正行為のあった車種の基準適合性を速やかに確認する

◇立入検査及び基準適合性の確認結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対処する

上記の通り、各メーカーより発表された車種に関しては出荷停止となりますが、案の定生産・販売も停止になるとのことです。

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