ホンダがアメリカで販売される「ほぼ全ての車種」をアメリカで生産するとの噂。トランプ関税回避のため、カナダやメキシコでの生産車両も?
(続き)アメリカの工場へと移管するだけでなく、北米全体がスムーズに生産できるよう対策を進めている模様
先程のホンダの報道のなかで注目すべきは、これが必ずしもカナダやメキシコでの生産の減速を意味するわけではなく、例えばカナダは、アメリカ製自動車への関税導入を発表しており、ホンダは両国で現地の需要に応える生産を維持できる可能性があるということ。
こうした動きは、他の自動車メーカーが関税問題への対応策を練っている時期に起こっていて、韓国の自動車メーカー・ヒョンデや日産も、アメリカでの生産拡大を検討中。
アウディとジャガー・ランドローバーは、アメリカへの輸出を全面的に停止し、三菱自動車などは当面の間、アメリカディーラーへの出荷を凍結と発表済。
こうした状況において、ホンダは多くのライバルよりもアメリカ生産のメリットを最大限活用できているようです。
ホンダのカナダ法人も、今回の報道について声明文を公開
一方でホンダのカナダ法人は、日経アジアの報道を受けて声明文を発表しており、アメリカでの生産増加についてはコメントしなかったものの、カナダ・オンタリオ州アリストンの生産工場は当面の間フル稼働を継続すると明言しています。
なお、ホンダのカナダ法人の声明文は以下のとおりです。
これはホンダからの発表ではなく、報道にある見出しの詳細についてコメントすることはできません。
ただし、オンタリオ州アリストンにあるカナダの生産施設は、当面の間フル稼働し、現時点で変更は検討していないことをお知らせします。
当社は、将来の緊急時対応策の選択肢を常に検討しており、必要に応じて短期的な生産シフト戦略を活用することで、事業への悪影響を軽減します。
2024年には、カナダで販売台数第2位の自動車メーカーとなり、カナダで販売されるホンダ車の約69%はカナダで製造され、99%は北米の施設で生産されています。
この長年にわたる北米での柔軟かつ現地生産のアプローチにより、各施設で製造される特定モデルへの生産シフトを調整し、顧客の需要に応じてさまざまな地域や潜在的に新しい市場に向けて生産するなど、地域全体のさまざまな市場状況に迅速に適応することができます。
カナダでの生産は、2024年にカナダで最も売れている乗用車であるカナダ製のホンダシビックと、2024年にカナダで最も売れているハイブリッド車であるホンダCR-Vに牽引され、今年第1四半期に9%増加した国内販売のおかげで、フル稼働を維持するでしょう。
1ページ目:ホンダの現地生産・現地調達が、今回のトランプ関税で功を奏している?