レクサス・新型「LS500h」に試乗。スポーツラグジュアリーだからこそ乗って楽しめる一台

2017-12-03

さて、前々から検討していたレクサスの新型セダン・ハイブリッドモデルとなる「LS500h」を試乗。
今回も試乗をお願いしたのは、いつもお世話になっているレクサス宝塚さん。
予てより、10/19(木)にレクサスのフラッグシップモデルとなる「LS(Luxury Sedan)」がフルモデルチェンジとなって販売スタートしたわけですが、今回「LS」のフルモデルチェンジにおいて、以下の要素を大きくとり挙げています。

・GA-Lプラットフォームにより実現した走りを予感させる斬新なクーペシルエット
・ 運転に集中できるコクピットとフラッグシップセダンにふさわしいくつろぎの空間が融合したインテリア
・ 新開発V型6気筒3.5ℓツインターボエンジン搭載など、新技術によるエモーショナルかつ優雅な走り
・ LEXUSならではの「おもてなし」を実現する快適装備
・ 予防安全パッケージ「Lexus Safety System+A」をはじめとする先進の安全技術

レクサスが「初代LSの衝撃を超えるクルマを作り上げる」と豪語した新世代モデルとして登場した一台ですが、それに必要な要素が「存在感」「デザイン」「コンセプト」、そして偉大となる初代を超えるための「欧州の高級車をはじめとする、どのクルマの中にあっても独自性を放つ唯一無二の存在感を確立するための何か」がキーポイントとなっていました。そんな重要課題を掲げてきたレクサスが、本気になって作り上げた新型「LS」は、まさしく日本を代表するフラッグシップ・ラグジュアリーセダンとしての名に相応しい一台ではないかと考えます。

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【新型「LS500h」について】
さて、今回試乗させていただいた個体は、「LS」のハイブリッド&スポーティモデルとなる「LS500h F SPORT」後輪駆動(FR)となります。
「LS」には、V6ツインターボモデルの「LS500」(排気量5.0L相当を意味)とV6ハイブリッドモデルの「LS500h」の2モデルが存在し、その中で最上位グレードとなる”EXECUTIVE”、上位グレード”Version L”、スポーツモデル”F SPORT”、中間グレード”I package”、そしてベースグレードが存在。
今回試乗のF SPORTは、フロントが専用スピンドルグリル並びにサイドグリルをメッシュ(網目)としており、更にはF SPORTを象徴とする専用エンブレムがフロントフェンダーに貼付されます。

【「LS500h」主要緒元】
全長×全幅×全高:5,235mm×1,900mm×1,450mm
ホイールベース:3,125mm
最低地上高:140mm
パワートレイン:排気量3.5L V型6気筒+マルチステージハイブリッドトランスミッション(電気式無段変速機)
最高出力/最大トルク:エンジン299ps・モータ180ps/エンジン356Nm・モータ300Nm
燃費:15.6km/L
燃料:ハイオクガソリン(無縁プレミアムガソリン)

上述の通り、最低地上高は140mmと見た目の割には高めで、この高さはトヨタ「プリウス」や「クラウン」と同じ高さとなります。
また、今回よりフルモデルチェンジとなった新型「LS」の全長は、前モデルの「LS460L/LS600hL」といったロングモデル(5,150mm)よりも更に85mm延長され、おまけに全幅は25mm幅広、全高は30mm低くなることで、4ドアセダンというよりも4ドアクーペのスタイリングへと変化しています。

【外観インプレ】
まずはフロント部分を確認していきましょう。
やはり大きく目を引くのは、このフロントデザインですね。
前モデルの「LS」に比べて、明らかにアグレッシブさが増した表情は、競合の欧州モデル・メルセデスベンツやアウディ、BMWに引けを取らない攻撃性と”遠目から見ても一目で分る存在感”、そして後続から迫りくる圧倒的な表現力を生み出すために作られ、デザインフィロソフィーとL-finesse(エル・フィネス)、「レクサスが挑戦するデザイン」として既成概念を完全に超越した全く新しいモデルとなっています。

フロントヘッドライトについては、レクサスの特徴にもなる小型LEDを用いた連なる三眼タイプ。これに加えて更に複雑さを増した三本ラインを重ねたシームレスタイプのデイタイムランニングライト。このデザインはとにかく複雑で、一体どのような技術を駆使したのか気になるほどの複雑性を持っていますね。今回のレクサス・新型「LS」は良い意味で「全てが複雑化」しており、しかしその複雑さが”美”へと変貌するという不思議な現象を引き起こしています。

ちなみに今回試乗の個体は、グレードが”F SPORT”となるため、フロントのスピンドルグリルは通常モデルに比べて縦基調パターンを継承しながら、小さなL字型ピースの集合体で構成される一層緻密なデザインへと進化。グリルとしての性能を確保しながらも、匠を駆使したエンジニアが半年以上の時間をかけて作り込み、ドラバーズセダンならでの凄みのある迫力と品格の表現をコンセプトに作り上げています。

足回りも”F SPORT”専用となるフロント245/45RRF20、リヤ275/40RF20ランフラットタイヤ&ダークプレミアムメタリック塗装のアルミホイールを装着しています。10スポークでありながらもさり気なくダブル5スポーク風にも見えるスポーティさとラグジュアリーさを兼ね備えた何とも贅沢なホイールですね。
ブレーキキャリパはブラックにて塗装され、スポーツ走行を実現する”F SPORT”専用ブレーキを採用(これがまたブレーキが強力の何の)。

リヤデザインを確認していきましょう。
フラッグシップモデルだけあって、ドッシリとしたサイズ感に加えて、ワイド&ローな印象を受けますね。リヤテールライトも、アローヘッドを幾重にも重ねており、3ラインずつのリヤテールはフロントとの統一感を持たせています。おまけにリヤテールはかなり奥行きのあるハウジングを搭載しており、さり気なく垂れ目調としているシルバーメッキフレームがアダルティさと高級感をダブルで演出しています。

リヤバンパーの下周りをもう少し拡大して見てみましょう。
リヤフレームにもシルバーメッキフレームを装備することで全体的に高級感と引き締まりを強調。リヤバンパーヴェゼルはそこまで大きく目立たないレベルに抑えており、あくまでもホワイトのリヤバンパーが主役であることを助言するかの如く”黒子”のような役目となっているのも憎いところ(ブラックの張りを敢えて抑えることで、リヤの輪郭がはっきりとわかるのは素晴らしい技術)。

続いてはインテリアです(ドライバーズシートの撮影を逃してしまったので、今回はリヤシートを公開しています)。
実際にドアを開けてみると、ドアの重厚感がしっかりと伝わってきます。
内装は何とも過激な”F SPORT”専用フレアレッドですが、これがまた上品な色合いで美しさもあり、ドライバーをその気にさせる色味を持っています。
シートマテリアルとしては、専用本革/ウルトラスエードのスポーツシートを採用。

さて、実際にシートに座り込んでみましょう。
左脚から侵入させた時のマット位置が思いほか高めにありますが、脚をマットに着地させ、そこからお尻をシートへと座りこませた時の姿勢の崩し方が非常にナチュラルで乗りやすい印象。
体にかかるストレスを軽減させてくれるかの如く、しっかりと考えられた配置のように感じますね。
シートに座り込んでの印象としては、シートはやはり”F SPORT”専用だけあって若干硬めに作られていますが、体との密着感は抜群でホールド感もありますね。

ステアリング周りはこんな感じ。
ステアリングホイールは3スポーク式で、両サイドのスポーク上にはリモートボタンが密集していますね。この辺りは他車種と同様。

センター上部には12.3インチの大型ナビゲーションシステムを配置。
このサイズは「LX/GS/LX/RX」にのみ採用しています。敢えてナビゲーション画面の右側にデジタル時計を配置しているのも中々にオシャレですね。
インテリアについては、日本古来の伝統と匠の技術を活かしたデザインを採用。特に、インストルパネルの幾重にも重なる琴の茶筅はまさしく”和”を表現しており、見るものに驚きと落ち着きを与えます。
造りをみるだけでも、職人による手間をかけた匠の技術と最先端も加えた高度な技術が相まっています。
内ドアの取っ手付近には名粟調仕上げ/シルバーの本アルミオーナメントパネルを採用。これにより、スポーティさに加えて日本伝統との調和性を持たせていますね。

【試乗インプレ】
さて、試乗インプレをしていきたいと思います。

インナーミラーやサイドミラー、ステアリング位置、そしてシートポジションを調整後、早速エンジンスタートです。
エンジンスタート時のスタートアップサウンドは、心が洗われるな音色を奏で、ドライバをリラックス状態へと誘います。
このスタートアップサウンドは無音も含めて4種類設定が可能なので、気分に応じて変更するのも良いのかもしれませんね。
ちなみに、スタートアップサウンドは以下の動画の通り。

【LEXUS NEW「LS」Start UP Sounds”レクサス・新型「LS」_スタートアップサウンド”】

エンジンをかけた際は、やはりハイブリッドだけあって無音。
アクセルを少し踏み込むとモータから内燃機関へと切り替えられ、ガソリン車ならではのサウンドとなりますが、それでもモータから内燃機関に切り替わった際の振動はシートに伝わることなく非常にシームレス。
おまけに、以前試乗したハイブリッドモデルの「NX300h」と比較するとその差は歴然で、全くシートへの振動が伝わらない程に身体的負荷がかからないレベルとなっています。

まず、第一関門として恒例のディーラの段差を乗り越えるところからスタートです。
歩道から国道への段差を乗り上げるときの揺れはやはりフラッグシップセダンだけあってほとんど無し、更に国道に入ってからの加速時の振動も最小限に抑えられています。
これは、安心感と心地よさを高めるための高剛性ボディが大きく影響しており、ロッカーやピラー、ルーフといった主要骨格部材にホットスタンプ剤やハイテン材を含む高張力鋼板を最適配置。更にはフロアメンバーやピラー、リヤバンパーなどで荷重を分散する衝撃吸収構造とすることで、全方位からの衝撃安全性を確保していることから、何とも身体的負荷を軽減する車両へと改良が加えられているのだと感じられるわけですね。

さて、新型「LS」のあまりに高品質な造りに感動、そして国道の平坦道を走行したあとは、アップダウンの激しい峠へと進入。
大型セダン(クーペ?)にとって、狭い峠道は少しタイトに感じるかと思いきや、非常にクイックにコーナリング走行できるのは特筆すべき点で、それでいてしなやかな走りと安定した視界を提供。
アクセルを踏み込んだ時の加速力は、排気量3.5L V型6気筒エンジンとモータによるハイブリッド特性により高トルクな加速を得ることができるのですが、その際のエキゾースト音はまるでV8OHVのような”ボフボフ”といった力強いサウンドを奏でていますね。更には、アンダーステアにならないように切れ味と安心感を高めたVDIM(アクティブステアリング統合制御付)によって、電動パワーステアリングと前輪の切れ角を制御するギヤ比可変ステアリング、更には後輪の切れ角を制御するDRS(Dynamic Rear Steering)を掛け合わせることにより理想的なラインを狙うことが可能となっています。

これは後輪駆動(FR)モデルとなる「LS」専用のFRプラットフォームが大きく起因しており、レクサスが求める「すっきりと奥深い走り」を示すため、重量物の配置で決定する前後配分や感性モーメントを最適化することで、旋回時や加速・減速時おいてナチュラルで滑らかな車両挙動を実現。ボディ剛性の向上だけでなく、最適な乗り心地を追求したハイレベルな造りとなっています。

峠のクネクネした上りや下りを走行し、ある程度スピードが乗った後のエンブレやフットブレーキを多用すると、車体がフロント側に前のめりになるのですが、「LS」は車高が低めということもあって、姿勢が前のめりになる心配があまり無く、狙ったコーナーラインへとスムーズに侵入できますし、車体のフレキシブルな”しなり”によってアンダー気味になりやすいコーナーも安心して突っ込むことができるのも素晴らしいですね。
また、乗り心地においても”F SPORT”ということもあってガッチリとした印象ではありますが、まるで石の上に座ったような窮屈な硬さではなく、自身をしっかりと包み込んでくれているかのような安心感を持てる硬さとなっています。

そして、これはどのハイブリッドモデルにも言えるのですが、峠の下りに入った際のブレーキングポイントにおいて、ハイブリッドモデル特有の回生ブレーキは強力で、前方の車両が急ブレーキしても即座に対応できる能力と、更にそれをカバーするLSS+(レクサスセーフティーシステム)によって守られていることも、大きな安心材料の一つとなっています。

また走行モードも「Custom/Eco/Comfort/Normal/Sport S/Sport S+」も多彩に準備されており、そのときの状況に応じて好みの走りを追求できるのも「LS」の特筆すべき点ですね。
走行モードによって速度メータやインフォテイメントディスプレイが大きく変化するのも面白いところ。

【価格帯/強豪モデル】
「LS500h」の価格帯としては11,200,000円~16,800,000円とベースグレードと最上位グレードとの差額は560万円(数字だけ見ると高級車一台購入できるレベル)。
今回試乗した「F SPORT (FR)」モデルは13,100,000円となります。
競合モデルとしては、メルセデスベンツ「S400h」(1,1230,000円)やアウディ「A8 3.0 TFSI quattro」(1,1290,000円)、BMW「740e iPerformance」(10,660,000円)とドイツ御三家の上位モデルが対象となりますが、これら御三家に比べると価格帯としては(グレードにもよりますが)やはり最高値。しかし、レクサスには3年間の無料メンテナンスパック(エンジンオイル交換・ワイパーゴム等の消耗品、定期点検が無料)が全て車両本体に含まれているため、ランニングコスト面も考慮すると、トータルコスト的に他モデルを逆転する可能性もありそうですね。

【総括】

以上より、レクサスのフルモデルチェンジとなる新型「LS500h F SPORT」は、スポーティな走りを追求することはもちろん、同社フラッグシップモデルならではのラグジュアリーさを兼ね備えることで、常に安定した走りと楽しさを掛け合わせた最強のスポーツラグジュアリーであり、他社を圧倒するスタイリングとデザインに陶酔し、レクサスがこれまで抱えてきた課題を大きく乗り越えてきた日本を代表する一台なのではないかと思います。

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これまでの試乗記録はコチラにてまとめております。

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