超希少なポルシェの軍用車!ほぼ新品同様のタイプ597ヤークトヴァーゲンが競売に出品!予想落札価格は918スパイダー相当の約1億円に

おそらくここまで美しいタイプ597ヤークトヴァーゲンは存在しないかもしれない

これまで様々なポルシェのスポーツモデルやクラシックモデルが競売に出品されてきましたが、今回はその中でも非常に珍しいタイプ597ヤークトヴァーゲン(Porsche Type 597 Jagdwagen)が出品されるとして話題となっています。

おそらくほとんど耳にしたことのないモデル名称だと思いますが、ポルシェが1950年代にドイツ軍のために設計・開発を進めたプロトタイプ。

タイプ597ヤークトヴァーゲンは、アウトウニオン(Auto Union)やボルクヴァルト(Borgward)と軍事契約を争っていたときにまでさかのぼりますが、当時このモデルが製作されたのは僅か71台と非常に少なく、更にプロトタイプモデルが22台のみ製造され、そのうちの5台目に製造されたモデルが、今回RM Sotheby’sオークションにて出品されます。


パッと見ではポルシェとは思えないような軍用車スタイル

こちらが今回オークションに出品されるタイプ597ですが、その見た目は新品そのもので非常に美しく、当時のオリーブグリーンも全く色あせていない美しい仕上がりに。

一目ではポルシェが製造したモデルとは思えないほどに特殊なエクステリアを持ちますが、実は他のラインナップモデルとの共通点も多く、特にリヤマウントのエンジンは356スポーツカーと同じ。

エンジンルームも非常に美しく、サビも全く見られない新品同様のユニットとなりますが、パワートレインは排気量1.5L 水平対向4気筒エンジンを搭載し、最高出力50hp、最高時速は100km/hにまで到達し、トランスミッションも356と同じ4速MTのみを搭載します。

登坂性能だけでなく水に浮くことも可能

ちなみにこのモデル、四輪駆動機能を提供するフロントアクスルカップリングを採用し、急こう配の坂はもちろんのこと、ある程度の水深でも問題なく通過することができ、且つ水に浮くこともできるとのことで、まさに軍事用のために設計された水陸両用モデル。

ただし、この車両の開発コストや組立て時間がおそろしくかかってしまい、更に単価も非常に高額なため、しかも当時は356カレラや550スパイダーを並行して生産していたこともあり、適切なスペアパーツを配布することが難しく、求めていた軍事契約を勝ち取ることができなかったと言われています。

予想落札価格は918スパイダー相当となる日本円にして約1億円

生産台数は非常に少なく、且つ開発コストもかかったタイプ597ですが、とても60年以上前の個体とは思えないほどの美しさですし、当時のオリーブグリーンも全く色あせないコンディション(インテリアもグリーンで統一)。

ちなみにこのモデル、2022年8月18日~20日まで開催されるRM Sotheby’sオークションに出品されますが、予想落札価格は725,000ドル~775,000ドル(日本円に換算して約9,660万円~約1,030万円)とのことで、世界限定918台のみ販売されたハイブリッドハイパーカー918スパイダー相当の価値があると言われています。

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