改めてこの車はよく出来てるな…トヨタ新型ヴォクシーの優れているポイント「ドライバーの使い勝手を考慮したレイアウト」「プレデター顔と云われながらも約9万台売れている」等

(続き)トヨタ新型ヴォクシーが改めて優れた車だと感じたポイント

デジタルインナーミラーは、ミニバン御三家のなかで最も見やすい

続いては、トヨタ新型ヴォクシーのメーカーオプションであるデジタルインナーミラーについて。

後席14インチ有機ELディスプレイが展開されていて、3列目シートが跳ね上げ式でリヤクォーターガラスが隠れた状態であっても、こうしたデジタルインナーミラーは常に重宝していますし、日中や夜間に限らず、焦点が合わせやすくもミラーと映像が交互に見えるようなことも少ないんですね。

ちなみに、3列目シートを跳ね上げにした際のリヤクォーターガラスが上の画像の通り。

これだと左右後方視界の邪魔になりそうですが、デジタルインナーミラーだとそういった心配も無し。

競合モデルの日産セレナ(C28)のインテリジェントルームミラー(デジタルインナーミラー)や、ホンダ新型ステップワゴンのディーラーオプションとなるアドバンスドルームミラーだと、どことなく外付け感があり、ミラーと映像が交互に見えて焦点が合わせ辛いのが正直な感想です。


発売直後は「ヴォクシー=プレデター」と揶揄されていたが、今では見慣れて約9万台も売れている

最後はヴォクシーのデザイン性について。

直近のトヨタのデザイン言語は、大口タイプのキーンルックグリルによりエネルギッシュな顔つきに仕上げるケースが多く、ヘッドライト意匠も釣り目タイプでアグレッシブ、更には新型プリウス(New Prius)や新世代クラウン群など、ハンマーヘッドと呼ばれるサメのような鬼気迫る顔つきが主流になりつつありますが、その中でヴォクシーのグリルは一際大きく、発売当初は「プレデター」と揶揄されるほど。

SNSやYahoo!ニュースなどのコメント欄では「こんなダサいデザインで売れるはずがない」といった否定的な意見が多かったものの、その一方で注目度は高かったですし、結果的に発売から1年4か月経過しての新車販売・登録台数は以下の通り。

【発売から1年4か月経過しての新型ノア/ヴォクシーの累計販売・登録台数一覧】

◇2022年1月度累計台数:3,424台
・ノア:1,650台
・ヴォクシー:1,774台

◇2022年2月度累計台数:4,300台
・ノア:2,227台
・ヴォクシー:2,073台

◇2022年3月度累計台数:14,737台
・ノア:7,046台
・ヴォクシー:7,691台

◇2022年4月度累計台数:10,404台
・ノア:5,697台
・ヴォクシー:4,707台

◇2022年5月度累計台数:4,877台
・ノア:2,720台
・ヴォクシー:2,157台

◇2022年6月度累計台数:8,509台
・ノア:4,302台
・ヴォクシー:4,207台

◇2022年7月度累計台数:9,044台
・ノア:5,010台
・ヴォクシー:4,034台

◇2022年8月度累計台数:7,136台
・ノア:3,766台
・ヴォクシー:3,370台

◇2022年9月度累計台数:16,011台
・ノア:7,770台
・ヴォクシー:8,241台

◇2022年10月度累計台数:14,367台
・ノア:7,166台
・ヴォクシー:7,201台

◇2022年11月度累計台数:10,034
・ノア:5,080台
・ヴォクシー:4,954台

◇2022年12月度累計台数:10,398
・ノア:5,262台
・ヴォクシー:5,136台

◇2023年1月度累計台数:13,927
・ノア:6,859台
・ヴォクシー:7,068台

◇2023年2月度累計台数:17,041
・ノア:8,518台
・ヴォクシー:8,523台

◇2023年3月度累計台数:21,918
・ノア:10,984台
・ヴォクシー:10,931台

◇2023年4月度累計台数:13,515
・ノア:7,020台
・ヴォクシー:6,495台


◇2022年1月度~2023年3月度累計台数:179,639台
・ノア:91,077台
・ヴォクシー:88,562台

via:一般社団法人日本自動車販売協会連合会

ヴォクシーだけで88,562台、新型ノア(New Noah)はノーマルボディとエアロボディの2種類があるものの、それでも91,077台という販売台数で、2車種のトータル販売台数は179,639台という結果に。

ミドルサイズミニバンではダントツの販売台数となっていて、あれだけでデザインで揶揄されて「売れない」と否定され続けてきたヴォクシーですが、蓋を開けてみれば大ヒットモデルですし、2023年5月下旬時点でもグレードやオプション内容によっては「納期約1年」となっています。

確かにクセのある顔つきではあるものの、時間が経てば見慣れてくる → 「意外と悪くないやん」 → 更に時間が過ぎると「結構カッコ良くね?」という意見も多くなってきましたし、この辺りのデザインセンスはやっぱトヨタは凄いな…と思う所です。

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