中国製電気自動車が大量に放置・廃棄された「EVの墓場」の闇は想像以上に深そう…政府からの補助金目当てだけでなく、メーカー同士のつぶし合いも露骨に

(続き)中国のEV新興メーカーは、僅か5年ほどで400社近く倒産していた

ちなみに、中国のEVメーカーの数は、2019年に500社近くあったものの、2023年には約100社にまで大幅に減少しており、ユーザーを相手に真摯にひたむきに向き合っている企業(吉利汽車や北京汽車等)だけが生き残っていると云われています。

海外メディア・ブルームバーグは、放置された電気自動車たちを「急成長する産業に資本が流入した際に起こり得る過剰と無駄を顕著に表しており、こうしたEVの墓場は、ここ数年間の電気輸送における劇的な進歩を示す奇妙な記念碑でもある」と表現。

あとはInside China AutoのYouTubeチャンネルでも、上の画像のように放置された全く同じ車両のほとんどは中古のEV車両から来ているとのことで、カーシェアリングに焦点を当てて2017年に導入された北京汽車のピュアEVシティカーのBJEV EC3とのこと。

この車両は現在、中国では「時代遅れ」とみなされていて、競争力のある価格ではるかに新しいマイクロEVが中国市場に溢れているため、中古価値は急落。

日本でも大きく取り上げられた宏光MINI EVがその例だと思いますが、超コンパクトなボディサイズでありながら、車両本体価格は日本で約45万円と格安のため、若者のファッションカーとしても高い人気を得ています。


今の中国の「EV世界一」は、決して環境に配慮した働きではないと思うのだが…

こうして次から次へと新たな電気自動車が製造され、一方で時代を先取りするメーカーからは「時代遅れ」と揶揄され、更には中国政府の厳しい路線変更・意向に付いていけなくなったメーカーは、政府から補助金を得られなくなると倒産する流れに。

その流れが当たり前になることで使われなくなった電気自動車はどんどん放置されるわけで、気が付けば中国の空き地だったエリアはEVの墓場として占領。

果たしてこのような流れが「電気自動車=エコ」と謳われて大丈夫なのだろうか?という心配もありますし、何の罪もない車たちがこうして邪魔者として扱われ廃棄されるのを見ると、「EV製造・販売・輸出世界一の中国」には、まだまだ深い闇が眠っているのでは?と疑いの目を持ってしまうのも自然な流れだと思います。

Chinese EV Graveyards – Uncovering The Truth In Person At One Of These Controversial Sites

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Reference:CARSCOOPS