まさに珍事!イタリア政府がアルファロメオ新型ミラノについて「イタリア以外で製造するのは違法」と指摘!もしイタリアで製造すれば160万円以上値上げに?!

(続き)アルファロメオ新型ミラノは、今後どうなるのか?

なおステランティスグループは、現時点でアルファロメオ新型ミラノ用の生産ラインをイタリアの工場では確保していないため、仮にミラノという名称で販売するのであれば、生産ラインの構築からスタートしなければならないことから、発売時期はもちろんのこと、大幅なコストアップにつながることは避けられません。

既に商標も申請されていますし、しかしステランティスグループが「イタリアを連想させる製品名を海外で製造したら問題になる」という危険性は把握していたと思うのですが、もしかすると、そもそもそのような法律自体を全く把握していなかったのかもしれませんね(無知ほど恐ろしいものはないと思いましが、商標出願の時点で政府からも指摘されなかったのでしょうか…)。

そう考えると、ステランティスグループが理想とする低コストのBセグメントSUVを実現するためには、車名”ミラノ”を変更する必要があるわけですが、これに付随する関連パーツやバッジ、メーター情報なども全て変更する必要があるため、結果的に発売時期やコストもかかる恐れが出てきます。


イタリア政府としては、できるだけイタリア本国で製造することを望んでいる?

ただイタリア政府は、単に指摘だけして苦しめるのではなく、地元の自動車生産を拡大することを推奨しており、過去にもステランティスに協力していたことがあります。

ただ、こうした生産拡大を支援するために、地元の補助金や政策支援を求めてきましたが、なぜかそういったことに関しては、政府は積極的に応じていなかったことも。

それにもかかわらず、ステランティスグループは、イタリアでの年間生産量を 750,000台~1,000,000台に増やすことを計画しており、イタリア政府は、テスラ含む他の数社の自動車メーカーと対話を続け、国内にて自動車を製造するよう説得しようとしています。

商標名でのトラブルは、今回の「ミラノ」が初めてではない

今回の一件について、ステランティスグループは、最新の声明についてコメントを控えていますが、過去にもイタリア産業大臣が引用したこの法律は通常、イタリア産の本物の「パルミジャーノ」に似た米国産の「パルメザン」チーズなどの食品に対しても指摘。

そして自動車関連においても、2011年にフェラーリのF1モデルとなるF150が、フォードのピックアップトラックモデルとなるF-150の商標権利を侵害していることから、マシン名を「150°イタリア」に変更したこともあります。

あと、これはイタリアとの関係性はないものの、過去にアメリカのフォードが「スカイライン(SKYLINE)」を商標出願したことがあり、これに対して日産が「スカイライン」の名を守り切った、という話も。

このような話が浮上した背景には、日産がこれまでスカイラインを日本市場向けとしてラインナップしていたことを理由に、アメリカではスカイラインの商標を主張していなかったことが挙げられていますが、その後日産は様々な突破口を見つけ出し、見事商標権を奪還しています。

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Reference:CARSCOOPS