2022年のトヨタは全16件&約40万台のリコールを届け出ていた!フルモデルチェンジ版・新型ノア/ヴォクシーは計3回、新型ハリアーは2回のリコールや改善対策

(続き)2022年にトヨタが届け出したリコール/改善対策/サービスキャンペーンを全てチェック

⑦:新型ノア/ヴォクシーに予防安全装備の不具合(リコール対象2車種・計18,784台)

続いては、新型ノア/ヴォクシーに2度目となるリコールで、対象は2車種・計18,784台。

不具合内容としては、運転支援装置のプロアクティブドライビングアシスト(PDA)において、制御プログラムが不適切なため、PDAによる減速制御中にブレーキペダルを操作すると、制御終了後もブレーキが作動したままとなる場合があり、そのため加速不良が発生し、そのままの状態で使用を続けるとブレーキ過熱により発煙し、最悪の場合、火災に至るおそれがあるとのこと。

ちなみにこの不具合による事故は起きていないものの、既に8件もの不具合が発生していて、市場からの情報により明らかになっています。


⑧:ランドクルーザープラドのディーゼルモデルに不具合(サービスキャンペーン対象1車種・台数不明)

続いて、ランドクルーザープラドのディーゼルモデルに関するサービスキャンペーンで、対象は1車種・台数不明。

不具合内容としては、排気ガス浄化装置(尿素SCRシステム)の尿素水ポンプにおいて、圧力センサ素子部にはんだフラックスが余剰に付着したものがあり、そのため、高温多湿の環境下で使用を継続すると、フラックスの影響で素子間が導通して短絡し、尿素水の残量警告灯の頻繁な点灯やアンモニア臭が生じたり、エンジン警告灯が点灯するおそれがあるとのこと。
※「頻繁な点灯」とは、尿素水を満タン補充後に、走行距離が1,000kmを待たずに残量警告灯が再点灯するような異常な状態

なおサービスキャンペーンに関しては、リコールや改善対策のように強制的なものではなく任意となるものの、当該事象が発生した場合は、尿素水ポンプを良品に交換するとのことです。

⑨:220系クラウンのヘッドライトに不具合(リコール対象1車種・121台)

続いては、220系クラウンのフロントヘッドライト関連の不具合で、対象は1車種・計121台。

不具合内容としては、前照灯においてタクシー用途等で使用する際、想定を超えて長時間点灯し続けると、バルブからの熱と紫外線により反射板のアルミ蒸着が剥離することがあり、そのまま使用を続けると集光不足となり、光度が徐々に低下し、最悪の場合、保安基準第32条(前照灯の基準)を満足しなくなるおそれがあるとのこと。

ちなみに、この不具合による事故は起きておらず、社内からの情報により明らかになっています。

⑩:プリウスのハイブリッドシステムが停止して走行不能の恐れ(リコール対象1車種・計8,669台)

続いては、プリウスのハイブリッドシステムに関する不具合で、対象は1車種・計8,669台。

不具合内容としては、ハイブリッドシステムにおいて、異常判定時の制御プログラムが不適切なため、極低速から急加速するような高負荷走行時等に昇圧回路の素子が損傷した場合、フェールセーフモードに移行できないことがあり、警告灯が点灯し、ハイブリッドシステムが停止して、走行不能となるおそれがあるとのこと。

ちなみに、この不具合による事故は起きておらず、社内からの情報により明らかになっています。

⑪:新型ノア/ヴォクシーに3度目のリコール(リコール対象3車種・計50,762台)

続いては、新型ノア/ヴォクシー/bZ4Xのリコールで、新型ノア/ヴォクシーは発売後僅か1年以内で3度のリコールを届け出済み…そして対象は3車種・50,762台。

不具合内容としては以下の3種類で、主に電子制御系の内容となります。

①:運転支援装置のLTA※において、制御プログラムが不適切なため、ハンドル舵角の中立位置のずれにより、LTAでのハンドル操舵の補正が不足するものがあるとのこと。そのため、カーブと車両速度の状況によっては、早期に警報が作動して、運転者による操舵が必要となり、保安基準第11条(かじ取り装置)に適合しないおそれがある。
※レーントレーシングアシスト:レーダークルーズコントロールの作動中車線維持に必要なハンドル操作を支援するシステム

②:ディスプレイオーディオにおいて、制御プログラムが不適切なため、ナビのルート案内中に車両を再始動し、直後にパノラミックビューモニターの映像を表示した場合、ナビ案内図を車両左側の映像に重ねて表示する場合がある。そのため、車両左側の映像が確認できず、保安基準第44条(後写鏡等の基準)に適合しないおそれがある。

③:電動パーキングブレーキにおいて、制御コンピュータ電源回路の異常検出プログラムが不適切なため、回路内で発生する一時的な応答遅れを異常と誤判定することがある。そのため、警告灯が点灯して、電動パーキングブレーキが作動しないおそれがある。

ちなみにこの不具合による事故は起きていないものの、既に15件もの不具合が発生していて、市場からの情報により明らかになっています。

⑫:ヤリスのハイブリッドシステムに不具合アリ(リコール対象1車種・計37,674台)

続いては、エントリーコンパクトハッチバックのヤリス・ハイブリッドに、ハイブリッドシステムに関する不具合で、対象は1車種・計37,674台。

不具合内容としては、ハイブリッドシステムにおいて制御プログラムが不適切なため、急加速等でトランスアクスルのインプットダンパに一時的な滑りが生じて警告灯が点灯した際、フェールセーフモードに移行できず、ハイブリッドシステムが停止するおそれがあるとのこと。

ちなみにこの不具合による事故は起きていないものの、既に6件もの不具合が発生していて、市場からの情報により明らかになっています。

⑬:何かと話題になったbZ4Xのハブボルト関連の不具合(リコール対象1車種・計112台)

続いては、トヨタの新世代ピュアEVクロスオーバーモデルとなるbZ4Xにハブボルトなどの不具合で、対象は1車種・計112台。

不具合内容としては、以下の2種類の通りとなります。

[不具合①]

カーテンシールドエアバッグにおいて、車両工場での作業が不適切なため、展開補助用のストラップが正規位置に組付けられていないものがあり、エアバッグ作動時に正常に展開できず、最悪の場合、乗員が負傷するおそれ。


[不具合②]

ディスクホイール取付部において、ホイールの加工およびハブボルトの仕様が不適切なため、ハブボルトの締結力が車両の走行性能に対して不足し、連続した急加速や急制動の繰返し等で、当該ボルトが緩むことがあり、そのままの状態で走行を続けると、異音が発生し、最悪の場合、タイヤが脱落するおそれがある

ちなみにこの不具合による事故は起きておらず、不具合に関しても”国内”では発生していませんが、①は社内からの情報、②は海外市場からの情報により明らかになっています。

⑭:ピクシスバンのベアリングが破損し、操舵ができない恐れアリ(リコール対象1車種・8,293台)

続いては、ピクシスバンが操舵できなくなる恐れがあるとして、対象は1車種・計8,293台。

不具合内容としては、ステアリングギヤにおいて、ブーツ取付け部のシールが不適切かつエアコンドレンホースが直上にあるため、エアコン凝縮水が当該取付け部に滴下しギヤ内部に浸入するものがあり、そのままの状態で使用を続けると、ギヤ内部に錆が生じて異音が発生し、最悪の場合、ベアリングが破損し操舵ができなくなるおそれがあるのこと。

ちなみにこの不具合による事故は起きていないものの、既に27件もの不具合が発生していて、市場からの情報により明らかになっています。

⑮:ピクシスジョイ/パッソのスマアシ用カメラが落下する恐れアリ(改善対策の対象2車種・計41,348台)

続いては、トヨタ・ピクシスジョイ/パッソのスマートアシスト用カメラに関する不具合で、対象は2車種・計41,348台。

不具合内容としては、予防安全機能(スマートアシスト)用カメラにおいて、ウインドシールドガラスへのカメラ固定用ブラケットの接着工程管理が不適切なため、接着力が弱いものがあり、使用過程で当該ブラケットが剥がれ、最悪の場合、走行中に落下するおそれがあるとして改善対策を国土交通省に届け出ています。

ちなみにこの不具合による事故は起きていないものの、既に1,048件もの不具合が発生していて、市場からの情報により明らかになっています。

⑯:アベンシス/アベンシスワゴンのエアバッグ関連に不具合(リコール対象2車種・計5,415台)

最後は、アベンシス/アベンシスワゴンにエアバッグ関連の不具合で、対象は2車種・計5,415台。

不具合内容としては、運転者席用二段展開制御式エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切なため、温度変化による吸放湿の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあり、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがあるとのこと。

ちなみに、この不具合による事故は起きておらず、市場回収品の調査結果より明らかになっています。

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