トヨタ新型GR86/スバルBRZのエンジンブロー(故障)の原因を特定した動画が話題に!サーキットにてスポーツ走行する際、右コーナーに進入すると油圧が大幅に低下するようだ

(続き)トヨタ新型GR86/スバル新型BRZにて検証した油圧データの変化をチェックしていこう

こちらが実際にサーキットにて走行した際の油圧データの変化。

サーキットにおいて、(高速域における)右ハンドル操作中のトヨタ新型GR86/スバルBRZの両方において確認されたもの。

波形を見てもお分かりの通り、突然の圧力降下は場合によっては60%以上も発生し、エンジン回転数が7,400rpmと高かったにもかかわらず、約60PSIから20PSIまで低下していることも確認できます。

比較すると、排気量2.0L FA20型水平対向4気筒自然吸気エンジンを搭載する初代BRZでは、はるかに短い期間でわずかな圧力低下しか示されておらず、このエビデンスに基づき、900BRZと評価を行った友人たちは、初代の車とそのエンジンがより堅牢で、この特定の問題に対して耐久性があると説明。

まさかユーザー/YouTuberがメーカー車の原因を解き明かしていく時代になるとは…

彼らの結論としては、これらの圧力降下の大きさと持続時間により、ベアリングへのオイル不足のリスクが大幅に増加し、最終的にはエンジンの故障につながる可能性があると説明。

実際のところ、この検証が本当に正しいかどうかは不明ながらも、おそらくここまで具体的で「右コーナー走行中に油圧が低下する」ところまで結論付けているYouTuberやジャーナリストはおらず、もしかするとトヨタ/スバルの開発陣は、この動画を参考に改善に向けて動き出しているかもしれません。


そもそも「どうして右コーナリング時に油圧が低下」するの?

そこでもう一つ気になるのが、この問題が起きるそもそもの要因は何なのか?ということ。

900BRZチャンネルでは、この要因についても独自に仮説を立てていて、以下の2点をピックアップ。

➀:ブレーキング時やスロットルリフト時に、オイルがタイミングカバー内に前方に流れ込み、コーナリング中にロアオイルパンに排出されない可能性がある

②:助手席側にわずかに傾斜した非対称のオイルピックアップ配置により、コーナリングのGにより、運転席側に溜まったオイルを吸い込むことができない可能性がある

ここにたどり着くだけでも十分すぎる内容だと思いますが、900BRZは「どうすれば問題を解消できるのか?」も解説。

本問題の改善対策も?!

彼らは、KillerB Motorsportと提携して、オイル不足を防ぐのに役立つと考えられるプロトタイプのバッフルを開発。

このバッフルは、上記のポイント➀で述べたように、オイルがタイミングカバー内に押し寄せるのを防ぐために特別に設計されていて、横向きのバッフルは圧力損失の低減に大きな影響を与えないとのこと。

今後、プロトタイプバッフルによるフォローアップテストが期待されますが、まさかメーカーによる対策品ではなく、一ユーザーの手によってここまで話が進められるとは…

ちなみに、これらの問題は公道上にて発生する可能性は低く、あくまでもサーキット/トラック上で右コーナーを通過する際の横加速度が1Gを超える場合にのみ発生するものと説明しています。

【BRZ/GR86 FA24 Oil Pressure Loss Demonstration】

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Reference:CARBUZZ