米トランプ関税25%による影響で三菱がアメリカへの出荷停止を発表。三菱は「一時的な輸入停止は問題ない」と語るも、ディーラーは「死活問題で組織崩壊を引き起こす」恐れ?

(続き)三菱のアメリカ法人は、堅調な販売を継続している

引き続き、三菱のアメリカ法人について見ていきましょう。

こうした貿易をめぐる不確実性にもかかわらず、三菱は2025年第1四半期の売上高が堅調だったと報告。

同社はアメリカにて「31,637台」の新車を販売・登録し、前年同期比で+11%増加しました。

そのなかで三菱の主力モデルともいえるアウトランダーは、2024年第1四半期と比較して-13%減少したにもかかわらず、2025年第1四半期の販売台数が11,992台となり、この地域でではブランドベストセラーであり続けています。

アウトランダーの改良型については、20025年2月下旬にアメリカにて発売され、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルは同年3月に月間販売台数記録を達成しました。

そしてもう一つ興味深いのは、既に生産終了となったコンパクトモデルのミラージュが「7,301台」を売り上げ、三菱で2番目に売れた車であり、その後にアウトランダースポーツが「6,910台」、エクリプスクロスは「3,731台」と安定した販売台数を維持しているということ。

特にこの時期は乱高下が激しく、車種によっての販売差も顕著に表れるものですが、三菱は常に一定の販売台数を維持し、良くも悪くも欲張るような動きが無いのも日本の自動車メーカーらしき特徴の一つなのかも。


一方でアメリカの三菱ディーラー(現場)は?

ただその一方で、アメリカの三菱ディーラーでは「販売する車両がアウトランダーしかない」「売る新車が無いために、中古車を売るのも精一杯だ」と苦言を呈するところも多く、メーカーに対してクレームを出しているのが現状。

こうしたなか、更に追い打ちをかけるかの如くアメリカディーラーに対して新車の輸入がストップするのは死活問題であり、一方でメーカー側は「今のところ致命的な問題はない」と語るところに、メーカーとディーラー(現場)での温度差や考え方の違いがあるのも事実で、内面から組織崩壊を引き起こさないか心配なところです。

1ページ目:今回のトランプ関税による世界的混乱は、三菱から見て「特に問題無い」と判断か?

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