トヨタとBMWの先見の明が証明された!「EV一極集中戦略」が崩壊した3つの理由:『高すぎる価格』『インフラ未整備』そして『雇用の危機』

改めてトヨタやBMWの先見の明には驚かされる

各自動車メーカーが色々な意味で課題としているEVへの移行問題。

2010年代初頭、各自動車メーカーは「内燃機関の終焉」を焦り、「誰が最初にEVに完全移行できるか」を競ってきました。

ボルボやベントレーといった欧州メーカーは、2030年までにガソリン車を廃止すると宣言し、一方で欧州市場向けのモデルをラインナップするフォードは、2010年代末までに電気自動車(BEV)のみの販売を約束していました。

他のブランドにおいても、EVが年間売上高の大きな割合を占めるという目標を設定していて、例えばポルシェは、2030年までにEVが総販売台数の80%以上を占めることを期待しており、アウディは2032年までに内燃機関車の生産を完全に中止すると予測していました。

しかし、これらの目標の多くは延期され、メーカーによって数年延期されたものもあれば、無期限に延期されたものもあるため、「EVが必ずしもメーカーの販売を後押しする」ことにはつながっていないんですね。

各自動車メーカーは、需要が急増すると見込んでEVの波に乗りましたが、ほとんどのメーカーが内燃機関を段階的に廃止する計画を発表する中、トヨタとBMWだけは、この流れに逆らってきました。


BMW「EVはただ単に高いだけでなく、充電インフラが充実していないため問題が山積み」

世界的にEV戦略が崩壊しているなか、BMWは「EVが、短期間であらゆる地域で普及することはない」と主張していて、その主な理由として、電気自動車(BEV)はガソリン車よりも一般的に高価であるだけでなく、世界の多くの地域で充電インフラが未整備なのも事実。

BMWは「Power of Choice(選択の力)」という理念を貫き、ガソリンやディーゼル、プラグインハイブリッド(PHEV)、電気自動車(BEV)など、顧客のニーズに合わせた選択肢を提供してきました。

2028年には、トヨタと共同開発した燃料電池システムを搭載した、X5ベースの水素燃料車を発売する予定で、BEVだけに固執することなく、更なる選択肢の拡大を目指しています。

BMW CEO「EVの推進は、消費者の選択肢と雇用削減を促進させ、自動車業界を壊滅させる」

さらに、従来型のドライブトレインの終焉を加速させる法律もあり、BMWのCEOであるオリバー・ジプセ氏は、欧州連合(EU)が2035年にガソリン車の新車販売を禁止する計画について、繰り返し懸念を表明。

同氏は、「この政策は消費者の選択肢を著しく制限し、企業に数万人規模の雇用削減を強いることで自動車業界を壊滅させる」と主張しており、更に以下のようにコメントしているため、改めて内燃機関モデルの禁止における経済の衰退と雇用問題についても言及しています。

供給を制限するような、技術的に一方的な規制は信じていません。

eモビリティは単独の技術として、行き止まりに陥ることになります。

それは今や明白です。

欧州内だけでも、格差があまりにも大きいのです。

欧州には、トップクラスの自動車産業と部品産業が必要です。

私たちはこのために闘い、マイナスの展開に抵抗します。

上記について、BMWは脱炭素化を無視しているわけではなく、同社は新世代モデルのノイエ・クラッセに100億ユーロ(日本円に換算して約1.7兆円)以上を投入しており、これは同社にとって過去最大の投資となります。

新型iX3は、2026年登場予定のi3セダンを含む、今後登場予定の電気自動車の波を先導。

ピュアEVのiX5はすでに発表されており、さらに多くのゼロエミッションモデルが次々と登場する予定となっています。

BMWは直6エンジンやV8エンジンの開発を終わらせない

それでもBMWは、M部門の直列6気筒エンジンやV型8気筒エンジンといった大排気量エンジンを含む内燃機関への注力を継続しています。

両エンジンとも、ユーロ7規制に適合するように改良が進められており、高性能モデルにおける排気量3.0Lおよび4.4Lエンジンの将来性は確保されています。

ディーゼルエンジンも消滅するわけではなく、BMWは既に2026年発売予定の次期X5に搭載することも明らかにしているため、まだまだ内燃機関及びディーゼルモデルが廃止となることは無さそうです。

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