EVは課題あり過ぎ…アメリカ環境団体が最も環境に優しい車にトヨタ新型プリウスPHEVを選出!→一方で環境に悪い車にピュアEVモデルがランクイン
(続き)2024年版となる「環境に優しい車/環境に悪い車」ランキングを見ていこう
引き続き、2024年最新版となる環境に優しい車/環境に悪い車ランキングを見ていきましょう。
より環境に優しい車で1位を獲得したのはホンダ・アコードe:HEV
続いては、先程の「最も環境にクリーンな車」ほどではないにしても、PHEVやBEVを含まないモデルを対象とした「より環境にクリーンな車」のランキングも見ていきましょう。
【より環境にクリーンな車のグリーンスコアランキング】
- ホンダ・アコード(HEV)・・・62点
- 起亜ニロFE(HEV)・・・61点
- 三菱ミラージュ(GAS)・・・59点
- レクサスES300h(HEV)・・・59点
- レクサスNX350h(HEV)・・・57点
- フォード・マーベリック・・・55点
- トヨタ・シエンタ(HEV)・・・55点
- ミニ・クーパーコンバーチブル(GAS)・・・54点
- トヨタ・ハイランダー(HEV)・・・54点
- 起亜ソウル(GAS)・・・53点
- BMW Z4 sDrive30i(GAS)・・・50点
- メルセデスベンツGLA250(HEV)・・・49点
- ボルボV90 CC B6(HEV)・・・45点
- フォード・レンジャー(GAS)・・・43点
以上の通り、このランキングになってくるとホンダ・アコードe:HEVがトップとなり、それ以下の順位も案の定HEVモデルが多くを占めますが、なかにはガソリンエンジンのみのモデルも見受けられますね。
最も環境に悪い車でワースト1位を獲得したのはメルセデスAMG G63
そして最後は「最も環境に悪い車ランキング」を見ていきましょう。
基本的にはガソリンモデルに集中するのかと思いきや、何とピュアEVモデルも1台ランクインしてしまうなど、ちょっと矛盾したランキングになっています。
【最も環境に悪い車のグリーンスコアランキング】
- メルセデスベンツAMG G63(GAS)・・・20点
- ラム1500 TRX 4×4(GAS)・・・22点
- フォードF150ラプターR(GAS)・・・24点
- キャデラック・エスカレードV(GAS)・・・26点
- ダッジ・デュランゴSRT(GAS)・・・26点
- ジープ・ラングラー4dr 4×4(GAS)・・・27点
- ジープ・グランドワゴニア(GAS)・・・28点
- メルセデスベンツG550(GAS)・・・28点
- GMCハマーEV SUV(BEV)・・・29点
- GMCシエラ(GAS)・・・29点
- シボレー・コルベットZ06(GAS)・・・30点
- メルセデスベンツ・マイバッハS680(GAS)・・・30点
以上の通り、ワースト1位はメルセデスAMG G63となりましたが、それよりも一番の驚きだったのが、ピュアEVトラックのGMCハマーEV SUVがワースト9位にランクインしていること。
なぜハマーEVが「環境に悪い車」に?
ハマーEV SUVといえば、ピュアEVでありながらも「全く環境に優しくない車」と酷評されていて、ノンハイブリッドでガソリンセダン系でお馴染みトヨタ・カローラ(Toyota Corolla)よりも多くのCO2を排出していることも明らかになっています。
なぜここまでGMCハマーEVが環境に良くない車なのかというと、そこには車体重量4,000kgを優に超える巨体であることが影響していて、これだけの重量に対して高いパフォーマンスを提供するためにも、高性能なモーター(システム総出力1,000hp以上)とバッテリーを搭載する必要があり(バッテリー充電の際にも多くのエネルギーが必要になる)、その結果として341g/マイルのCO2を排出する結果に。
これはガソリンセダンモデルのシボレー・マリブ(Chevrolet Malibu)で320g/マイル、トヨタ・カローラで269g/マイルの数値となるため、せっかく環境性能の良さを謳うはずだったピュアEVモデルが「実はガソリンセダンモデルよりもCO2を多く排出していました」となっては本末転倒に。
ピュアEVは環境だけでなく「重さ」も今後の課題になりそうだ
この他にも、実はピュアEVモデルの大きな落とし穴として、車体重量の「重さ」に耐えることができず、初期型の立体駐車場が倒壊する危険性もあるとのこと。
これは立体駐車場の構造を知るエンジニアで、パーキングコンサルタントを務めるクリス・ワップルズ氏のインタビューにて明らかになったもので、「電気自動車(BEV)の増加によって、特定の構造物がゆがむ可能性があり、特に一部の古い駐車場(立体駐車場)は、電気自動車の重量に耐えることができず、バラバラに倒壊する恐れさえある」と説明。
加えて「あまり人を騒がせたくはないが、状態の悪い初期の立体駐車場が崩壊する可能性は間違いなくある。オペレーターは、電気自動車の重量を認識し、強度の観点から駐車場を評価して、今後は重量を制限する必要があるかどうかを判断する必要があります」と説明。
特に立体駐車場においては、これまでボディサイズ(全高)に重きを置いてきましたが、ここに新たに車体重量が加味されるとなると、立体駐車場自体利用しづらくなることも考えられるかもしれませんし、環境以前に課題として抱えるものもまだまだ多くありそうです。