日本カー・オブ・ザ・イヤー候補に選ばれた日産の新型セレナ(C28)。オーナー目線で評価したときに本当に「優れたクルマ」だと言い切れる?

(続き)日産の新型セレナ(C28)は日本カー・オブ・ザ・イヤー2023の候補に相応しい車?

引き続き、日産の新型セレナ(C28)について見ていきましょう。

電動パワーテールゲートは搭載されていないが、デュアルバックドアはとても便利

荷室つながりにはなりますが、日産の新型セレナ(C28)の最大の特徴であり、競合モデルでは採用していない点が「デュアルバックドアを採用」していること。

デュアルバックドアは、使用状況に合わせてバックドア(全体)もしくはハーフバックドア(上側)の2通りで開閉できます。

特に上の画像のように、狭い駐車場で後方に車が停まっている場合、バックドアを開けようにもスペースを要する関係で、中々大きな荷物や長尺物を載せるが出来なかった場合、ハーフドアを開けることで解決できるんですね。

新型セレナ(C28)の場合、全グレードにおいて電動パワーテールゲートが搭載されていないのは不満ポイントながらも、こうしたデュアルバックドアは様々なシーンで役立つため、ちょっとした荷物でも気軽に取り出せるというのは利便性においてもかなり高いポイントだと考えています。


ルキシオンの真の価値は「ハンズオフ機能付きのプロパイロット2.0」が利用できるということ

そして新型セレナe-POWERルキシオンで最も評価したいポイントが、他グレードには設定されていないハンズオフ機能つきとなるプロパイロット(ProPilot)2.0が搭載されていること。

長距離移動が長ければ長い程、ハンドル操作無し&アクセル操作無しでの運転が「ここまで楽なのか…」と思わせてくれる機能で、個人的にも重宝しているのですが、残念ながらこの機能が「無料お試しキャンペーン」で利用できるのは、新車登録されてから約半年ほどで、それ以降はNissan CONNECTプロパイロット2.0のプランに加入し、年会費約2.5万円を支払わないと利用できません(月額や日割りも不可能)。

総額 約550万円も支払ってプロパイロット2.0を利用するのに別途料金が発生するというのも、中々に厳しい現実ではありますが、長距離移動や家族旅行で高速道路を利用する割合が多い方にとっては、とても魅力的な商品であることは確か。

しかし、プロパイロット2.0が利用できない状態だと「この車に550万円を支払う価値があるかどうか?」と言われると、支払う価値は無いと考えています。

【番外編】ドライブレコーダーのSDメモリーが8GBなのは少なすぎる

最後は番外編になりますが、日産の純正で標準装備されている前後ドライブレコーダーですが、最初から搭載されているマイクロSDの容量が8GBと極端に少ないということ。

競合ミニバンの場合だと、32GBや64GBを搭載していたため、保険という意味でも撮影記録を多く残せるのは安心材料の一つだと思うのですが、なぜかセレナ(C28)のデフォルトは8GBと少な目。

もちろん、日産ディーラーに相談もしく容量アップしたマイクロSDを購入することはできるものの、モノによっては別メーカーで市販品のSDが使用できないケースも考えられるそうです。

以上が、実際にセレナ(C28)を所有するオーナー目線での評価になりますが、実際に所有するからこそわかる不満や問題点は、日本カー・オブ・ザ・イヤーの評価対象には含まれないことは重々承知しているものの、ただ外面だけを見て、スペックシートに記載された資料だけで「今年最も優れたクルマ」と断言することが本当に正しいのだろうか?と言われると疑問ですし、評価するにも限界がありますから、「あとは、その先の真の評価は顧客・消費者に任せる」というスタンスなのかもしれません。

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